どこに行こうか迷ってしまいました。なにしろここらには釣り場はいくらでもあるのです。選り取り見取りです。
キャンプ二日目の朝、私とキャンプ常連のゲロ氏とR君の3人は、横着の骨頂を証明するかのように、キャンプ場から一番近い川でロッドを振っていました。しかし、釣りの神様はそうは甘くはなかったようです。私たちのロッドはしなることはなく、場所替えをせざるを得ません。

ここでまた困ったことが起きました。次の川を選ぶのにまた迷ってしまったのです。ナンカ怒られそうですね。
今年新調したお揃いのM川ネットを背中に下げるゲロ氏とR君。
私はこのお二方と川での釣りをご一緒するのは初めてでした。
お二方ともソツの無い釣りをされていて、なんでこれで釣れないのかと思いもしましたが、アマゴ様の方にもいろいろと事情がお有りなのでしょうから、多くは言わないことにします。

七時起床はキャンプ中の釣りでは早すぎたようです。
二つ目の川に降りた頃、ようやく活性を感じられる日差しとハッチとライズに巡り合うことが出来ました。
それでも連休中に散々いじめられたアマゴ様のご機嫌は、そうは簡単にうるわしくなるはずもなく、空しく宙にラインだけが舞います。

強烈なコントラストが加速する時間になってきました。眩しい日差しと新緑が私たちの背中を押してくれているようです。
こちらの川ではいやが上にも期待が盛り上がります。
連休中の釣りは決して容易なものではありません。
この日の釣りはゲロ氏の独壇場でした。 連休イチバンの一匹。
キャンプの定番。たこ焼きも美味なり。 紫外線を避けて、タープの下から出れません。
2時間くらいで戻るつもりがお昼になってしまいました。
テントサイトに戻ってすぐに昼食の冷やしうどんです。たこ焼きにはマヨネーズ(!?)です。これがまたビールに合います。
しばし午後の気だるく、でも時折吹く風が天国のように気持ちいい時間を過ごします。今回のキャンプは人が多い割になぜだか騒がしくありません。
みなさん快適に過ごしたいという気持ちは同じようです。
そして、夕方。また釣りの虫がうずき出してきた方がいるようです。
M川氏の第2ラウンドです。
M川氏とまたまた夕方の釣りです。
昔から「水清ければ魚すまず」なんてことを申します。朝方の釣りはまさにその言い伝えを具現化するようなところで、それでもしっかりアマゴと遊ぶことは出来ました。
夕方のM川氏との釣りは、清流と呼ぶにはちょっと抵抗があるような荒れた感のある川でしたが、毎年なかなかのアマゴ様やゴギ様がお出ましになる不思議な川です。

そんな不思議な川でM川氏の通りすぎたあとに私の真横のすぐ近くでライズが始まりました。岩に引っかかったゴミの脇で、なんの脈絡もなく激しく水しぶきが上がり出しました。ライズのポイントに毛鉤を投じると、全く反応はありません。
前方でM川氏のロッドがしなり、その直後不思議な川の不思議なライズは、私のロッドも気持ちよく弧を描かせてくれました。
気まぐれライズの主は今年の初ゴギでした。

二日目の夜、初日ほどには冷え込まず、相変わらず星が瞬いています。
今回のキャンプではよく釣りに行きました。タープの下で昼間っからほろ酔い加減でだらだら過ごすのも変えがたい魅力がありますが、あちこち動き回ってから帰ってきての一口は、これまたたまりません。

釣りありきの初夏の休暇は、いつもの週末に川へ出掛けるのと少し違った時間の過ごし方をあらためて知ることが出来ました。
一方で釣りに向き合い、一方でキャンプでもたらされる非日常を楽しむ。その二つが共存する北の三日間は、海外や有名どころの温泉地(あ、温泉はいいかも)に行かなくったって、十二分にリゾートです。
申し訳ないけど、人には教えたくないなぁ、こんな気持ちいいこと。

翌朝、撤収の日です。K氏とM川氏はまたまた連れ立って釣りに出掛けたようです。
お二方、帰る気ありますか?
流れ星とライズは目を離したときに限って出るのです。
おしまい