さて無事火をおこす事に成功し、焚き火のゆらめく炎を見ていたらもう焚き火台の前から動けなくなってしまった。半ドームの中は暖められて快適で、と言うかこっから外へは出れません。
時折降る雪は更に積もるような降り方ではなく、ぱらぱらとタープに当たる音も心地よく、適度に雰囲気を盛り上げる。ああでも、ここは外なんだよねぇ。真冬の山の中の雪に囲まれて・・・。ふと冷静にこの状況を見てみたらすごい事のような気がしてきた。あんなに寒いの嫌いなのにねぇ。
雪の中にやわらかな灯火。
でもまあ火がおこればこっちのもので早速夕げの支度がはじまり、黒光りするダッチオーブンから湯気が立つと子供たちでさえ身を乗り出して唾を飲む。寒さに耐えるために体が多量の熱量を欲しているのだ。
さらにはビールも飲む。こんな寒い時にって思うかもしれないけど、これがまた旨い。この状況にして、やっぱりビールなのだ。
こういう時のキャンプは食べる・飲むが非常に重要なファクターになる。手がかからず(どのみちかけるのは私ではないが)しっかり体があったまり、ほどほどに酔うというのが大事だね(寒いとビールはほとんど酔わない。トイレの回数は飛躍的に増えるが)。
まめ村ゲロ太のまめ料理。あっちゅう間になくなりました。
ナイトモードで撮影。半ドーム内の夜更かし兄弟。もうすぐ日付が変わる。 なにもよりによってこんな状況で肝試しせんでもねぇ。
闇夜に浮かぶMossテント。やっぱこれでしょっ!! 気分は「ホワイトアウト」のK.b.
4シーズンのテントに使用可能温度ー15℃のスリーピングバッグ、さらにはもこもこ着ぶくれフリースで武装しているとは言え、やっぱり雪の中なんだからなぁ、死なんだろうか?と思わないでもない。しかし、雪が積もっていると逆に寒くなかったりもするのである。
まあ、過酷な条件をしっかりした装備で乗り越える達成感がまたいいのよ。そして眠るのも雪中キャンプのイベントのひとつで、スリーピングバッグにもぐり込んで、だんだん体温で暖まってぬくぬくになるのはこりゃ天国だぁなぁ。
舞い落ちる雪、ではない。舞い上げているのだ。 降り注ぐ月光の波長と音もなく降りてくる冷気。

翌朝、テントに当たる陽の光で目が覚めた。朝の冷え込みが陽光でやんわりと暖められていて、テントの入り口を開てもしばらくは寝袋から出ないでひんやりとあたたかの混在した空気を感じながらまどろんでいた。
しかしっ! これから一番ボリュームの大きいイベント、「後片づけ」が始まる。ああ、もう少しこのままだらだらとしていよう。寒いの嫌いなんだよなぁ。
おしまい