其の百三十八  再び、海へ
北部は雪の予報なら沿岸はぽかぽか陽気なんてことはありえまい。
駐車場に車を停めて外に出ると、順当に寒い。
前回は川の流れ出す小さな内湾だったが、今回は目の前に瀬戸内の島々が見渡せる臨海の公園に出掛けた。
すでに防波堤に等間隔で釣り人が立っている。
この日は午前中は晴れ間が見えて、午後になってから曇るはずだったが、着いた時から陽射しはなくなっていた。
そして強風、さ、寒い。
内湾と違い、海は広く、風は強い(^_^;
海フライのノウハウもないままで何本か巻き足してまた海へ来たのだが、それを試す気力が萎えるくらいに寒い。
まず風が強い。ここは後方に山はあるがすぐ後ろではなくて風よけにはなっていない。本土と正面の島の間の幅の広い海峡をみごとに風が渡っていく。
すでに釣りを始めている人たちは釣れているのだろうか? と、思っていたらひとりのおじさんが竿をあおって魚を堤防の上へ引き上げた。20cmくらいの魚だった。
うむ、釣れてるじゃないか。これでここにも魚がいるということがわかった。
親子連れで来ているその少し横に入らせてもらった。防波堤だからあまりキャスティングする気はない。
真下か目の前へ落とすだけだ。
それでも周囲に注意しながら、まずは改良型クレージーチャーリーを投げてみた。
しかし、防波堤の直下はかなり深いらしく、リーダーが沈んでフライラインも沈んで、まだ沈んでいく。
これで直上へ向かって引っぱり上げるやり方で、釣れるのかなあ。
さっき釣ったおじさんがまた釣った。親子連れはずっと釣れていないようだった。
おーっと、ここでもマイクロメバル。
沈めたフライをツンツンしながら引っぱり上げてみた。かなり沈んだのでなかなか見えてこない。
ようやく見えてきたクレージーチャーリーをなにか魚が追いかけてくる。
おお、来てる〜っと思ったがフライはくわえないままでUターンしていってしまった。うむむ、しかしフライにかなり興味を持っていただいたようで、可能性はあるな。
同じように沈めては引っぱり上げを続けてみた。またまた魚はついてくる。しかしくわない。何度もしつこくしていたら、追いかけてもこなくなった。・・・スレたか?
場所を少し変えてやってみると、また魚が追いかけてくる。しかしやっぱりくわない。
これはパターンややり方が悪いのか、それともやっぱり昼間だから活性が低いのか。
これだけ反応があるんだから、夜なら釣れそうな気はするけどなあ。
しかたなくクレージーチャーリーをあきらめて、前回釣れた釣り具やのサバ皮パターンを投げてみた。
すると前回よりもちっちゃいメバルが一発で釣れた。
う〜む、そういうこと??
寒さ対策でフードをかぶります。
手が冷たい〜(>_<)
なにかメバルとフライの波長の接点みたいなものがあるのだろうか?
少なくとも僕のフライは、その波長には合っていないらしい。うむむ、気に入らん。せっかく巻いたのに。
こうなりゃダメ元でベイトフィッシュのパターンを結んで投げてみた。するとこれにもついてくる。よし、食え、食え、・・・Uターン。おのれ〜。これも波長NGのクチか・・・。
だんだん足の末端から冷えてきた。風はおさまる気配をみせない。そろそろ引き上げ時かと思いながらフライワレットを開けると、ジグヘッドにイモムシみたいなゴムをつけてゴムのしっぽがベロンとぶら下がっているフライ(と言えるか?)を見つけた。誰かにもらったものだっただろうか?
でもこんなので釣れてもなあ〜って思いながら結んで投げると、いきなり水中の岩に引っ掛かった。あ〜ダメダメ、こんなのやめじゃ。今日は帰ろう。
ロッドをあおると、ラインの先がブルブル震え出した。それは紛れもない魚の引きだった。
25cmを越えると#4じゃ上がりません(^_^;
ただ、釣ったフライがなあ〜(x_x)ゞ