其の百三十九  メバルが食うフライ
前回の釣りでも結局自分で巻いたフライでの初ヒットはおあずけ。
フライを追っかけてくるのに食いつかないというパターンから抜け出せなかった。
とにかくメバルにためらわず食いつかすためには、その気にさせる要素をフライに盛り込むしかなかろう。
目ん玉はあったほうがいいかどうかだが、なるべく沈ませたいからタングステンのアイをつける。
ボディとアンダーウィングはきらきら。T社のメルティヘアをその上にのせ、最後にはげ皮を。
これはエビか? オキアミか?
釣れそうな要素を詰め込んだら、どの甲殻類でもないシロモノになりました(^_^;
T社のメルティヘアは濡れるとなまめかしい感じになるので、効果がありそうだ。魚皮は過去二回の釣行で実証済みのマテリアルだし。ほかにもきらきらを使って、メバルの気を引く要素満載のフライのつもりではあるが、なんとも摩訶不思議なフライになってしまった。あんまりあれこれ付け過ぎるのもどうかと思うが、とりあえず。
次に巻くのはやはり前回即効で反応のあったジグヘッドのワームだ。これはもうすみやかな沈下と怪しい動きのゴムのしっぽが効いたのは疑う余地がない。
じつはそのジグヘッドはあの時最後のメバルを釣った後、本当に岩に引っかけてなくしてしまった。そうなると、フライのマテリアルで作るしかないではないか(釣り具屋でワームを買うのはくやしいので)。
いやまてまて、メバルの食性を考えてその餌となるものを模してフライを巻くのならわかる。
それがゴムしっぽのジグヘッドで釣れたからと言って、それに似せてフライを巻こうなんて、巻く発想が間違ってないかい??
決してジグヘッドのワームに似せて巻くのではない。えっと、そう、ゴカイだ。ジグヘッドのゴムしっぽがゴカイのイメージだったのだ。だから僕はゴカイフライを巻くのだ(ということにしておこう)
もちろん僕はゴカイは一切触れませんが。
シマザキホローボディは濡れた時こそ真価を発揮する。
ゴカイフライはフライフィッシングの心が折れないように(!?)、それっぽいマテリアルを使う。
ジグヘッドではなくコーンヘッドをセットする。ボディはエクステンドといえばシマザキホローボディだ。ゴムのような柔らかな動きは期待できないが、ゴカイなどの環形動物を表現するにはまずはこんなものだろう。
ヘッドが重いから上下にしゃくるような動きはロッドアクションで演出できそうだ。ゴカイとかが活発に水中を泳いで産卵行動を始めるのは春からだから(これは渓流の水生昆虫と同じか)、今時期にこのフライで狙うのはマッチザワームとは言い難いが、まあジグヘッドで釣れたから(^_^;
正体不明の魚皮フライとゴカイフライは準備できた。
ただ僕的にはやっぱりベイトフィッシュを意識して巻いたパターンで釣ってみたいなあ。
そういうのがいかにも海のフライフィッシング的ではないか。
そうなるとメバル以外にも照準をむけなければなるまい。ただそれだとやっぱり日中のみの釣りではつらいかも知れないなあ。
そうこうしているうちにだんだん渓流の解禁も近づいてくる。
かくして釣り人とはかくも忙しい人種なのですなあ。
巻く手間がそのまま思い入れになるから困ったもんです(^_^;