其の百四十三  タイイング活性化
解禁から約三ヶ月が経過。
フライボックスの中も古いものを使い回してくたくたのフライばっかりになってしまった。
新しく巻いたフライがなきゃあないで、手持ちのフライを総動員してなんとかするもんだ。
確かに釣りシーズン中は部屋でフライを巻くのがなかなか出来にくくなる。
釣行前夜は釣りの支度でなんだかんだと時間が過ぎ、釣りから帰ったら疲れてぐったり。そして休みが終わる。
K式天然素材本舗。類似した素材は今までにもあったかもしれないが。
でも本当はそんなものじゃあないのかもしれない。
タイイングの時間は全くない訳ではないのだ。まあまだフライボックスの中の古いやつでなんとかなるかって思っているから、新しく巻きためようとまで思わないのだ。
とはいえシーズンの半分が過ぎたのだから本当にそろそろいくらかは巻いて補充をせねばなあ。
と、そんな時に釣り具屋から電話が。ちょっと前に注文しておいたマテリアルが入荷したのだ。
釣り雑誌で活躍中のK田さんの考案マテリアルだ。時間のある時に取りに行った。店でどんなんだか見てみたが、その時点で「こりゃあ巻いて見たいなあ」と思わせられた。
新しいマテリアルを手にしないとタイイングの意欲が沸かないというのもちょっとなんだが、それで効果的なフライを巻く気になるのなら、新しいマテリアルは大歓迎といったところか。
このフライマテリアルはウィング材として作られたものとシャックに使うものとが用意されている。
それにこだわって巻くだけでなくいろんな使い方はできるだろう。
ただまあ最初だからセオリー通りウィングに使ってみた。
ファイバーを束ねて売っている製品は何種類かあるし僕も持っている。しかし今回のこれはずいぶんとファイバーが細い。そしてしなやかだ。
製品名に天然素材とあるぐらいだからシンセティックではない、自然の獣毛から紡がれたもののようだ。
このマテリアルが得意なのはスペントウィング。
ウィングは水面に張り付く。正にスペント。 濡れると透明感が増す。イマージャーとしても有効か。
フロータントなしで水に浮かべてもそこそこ浮く。水面に張り付く浮き方は水際に流れ着いているスペントスピナーの姿をイメージさせる。
シート状のウィング材やシンセティックのファイバーとか、CDCなんかでもスペントを巻いたりするが、このマテリアルのしなやかさはやはり既存のものと一線を画す感じだ。
メイフライだけでなくカディスパターンやテレストリアルにも十分使えるだろう。
これでフライボックスに巻きたてのくたびれていないフライが増えそうだ。
新しいフライで釣りをして喜んだり悔しい思いをして、更にパターンを改良していける。
当面の間はね(^_^;
#18でもスペントスピナーが巻きやすい。
助かりますσ(^_^;)