其の百六十六  春に効く色
あれ、いつの間にやら二月になっているでわないか。
だいたいが一月二月は早く過ぎてしまうからなあ。
もはやあと一ヶ月なんて待ち遠しいなんていう期間ではなくなっている。すぐに解禁はやってくる。
タイイングデスクをちょっと整理してみたが、あれからそんなに巻いている訳ではない。
しかしいつでも巻ける環境は維持しているから、あとはやる気だ。
まずは解禁初日の釣行を思い描いて一本巻いてみることにした。
まだ雪の残る里川の流れに漂うフライを。
解禁前が一番フライのことを真剣に考えるな(^_^;
春先だから淡い色、と単純にはいかないだろうけど、それでもまずはそんな色のフライを巻いてみる。
淡い色のハックルはいくつかあったが、まずはゴールデンストローと名付けられたハックルを取り出した。
この色はクリーム色にちょっとオレンジを混ぜたような色だ。明るさと深みが混在したような感じで、なかなか好みの色だな。
光に透かして見ても色がしっかりと残っている。これなら色にこだわってフライを巻く意味がちゃんとあることになる。
引き出しをごそごそ探して、また淡い色のハックルを出した。
次はペールモーニングダンというカゲロウの名前が色の名前になっているやつだ。
これはゴールデンストローと違って、少し黄緑が入っているような色だ。似通った色でも巻いて並べてみると、思ったよりも違って見える。
こんな微妙な色の違いでセレクティブなヤマメに効いたり効かなかったりしたら、面白い釣りになるだろうなあ。
ちょっとの色の違いにも効果があると思いたい。
また引き出しを探ると、バジャーのハックルが出てきた。
確かにこういうのも持ってたなあと思い出したが、ゴールデンバジャーダイドダンと書かれたこのハックルはなかなかにいい色だ。
先のふたつのものほど派手な明るさはないが、渋く自然な淡い色が春のカゲロウを強く想像させてくれる。
ちょっとこのハックルのことは忘れていたので、思い掛けない発見になった気がした。
今年はちょっと春先のフライボックスの中身
が充実しそうだな。
色の好みも月日とともに変わってきたかなあ。