その31 水辺の近況 「その後の川辺より」
ちょっと精神衛生上よろしくない。ほんの気まぐれで川でも見に行こうかってちらっと出掛けてきただけなのに、短時間であんなモンを複数目にするとはね。

10月中旬の週末、一ヶ月以上会社と自宅の往復が続いていたから、本当に久しぶりに高速を北へ向かった。なんか風が気持ちいいわぁ。すかっと晴れた週末は行楽の車が多い。それをかわすようにインターチェンジを降りて、通い慣れた県道をまた北へ。
秋の彩り。もうすぐ山も紅く染まり出す。
これまた通い慣れた川へと到着した頃はすでに陽は真上。朝夕はめっきり冷え込むようになったが、日中の日差しはまだ強く、ついこの間まで釣り道具を持って出掛けてきていた時の記憶がまざまざと甦る。
とはいってももう禁漁で今日はカメラをたずさえてのんびり出掛けてきたのだし、まあ川面でも覗いてみるか。でもアマゴなんてそんなちょっと覗けるような所にはいないよなっているじゃんか!!
しかもそこそこのサイズですわ。
子アマゴに混じってぼよ〜んと浮かんでました。
残っていましたね。そりゃそうだろうけどホッとした。しかも私がのぞき込んでもあわてて逃げるそぶりも見せず、自分の間(ま)でクルージングを続けている。

フシギなもので「釣りてー」なんて不謹慎な感情はそんなに出て来ない。禁漁というスイッチの入った釣り師はあきれるくらいに気持ちも切り替わりクールになっている(ホントだろうね?)。
川筋を辿って遡って行くと今年ライズと対峙したプールが見えてきた。ここはどうだろう?とのぞき込むと、また居た。
今度のはさっきのよりでかい。これまたゆっくり余裕のクルージングを繰り返しているしライズなんかもしている。
なんかこんなに簡単に見れるとは、ちょっと拍子抜けというか、おまえらもう少し警戒しろよ。
悠々自適の遊泳にご満悦のアマゴ様。
どうやら禁漁のスイッチは釣り人だけでなく魚の方も入っているようで、それはまるで「おいおい、今はオフなんだからゆっくりさせてくれよ。さんざんシーズン中にサービスしてやったろうが」って言わんばかりの(ンな訳ないけど)余裕をかましているように見える。
それにしてもシーズン中は見なかったなー、あなた。どこに居たんですか? 禁漁になってから荒食いして一気におっきくなったの?