其の六十二  32ビットを泳ぐサカナ
気がつけば解禁までひと月を切っている。
今年は1月が長く感じた。それでもこれから一気に解禁まで加速して行くのだろう。
すぐに釣り具屋に遊漁券を買いに行ったりベストのポケットにあれこれ詰め込んだりし始めることになる。
半年ほっといた水中デジカメも充電せねばなるまい・・・、動くのかな?

それにしても、である。なんだか禁漁期間の半年は、それほど・・でもない。まったく一度もロッドを降る事はなかった。それでも、そう釣りから離れていた感はなかった。
マザーボードに浮かぶドライフライ・・。
ありえんか。
以前にも書いたが、いろんな釣りのホームページをのぞいたりしていると、案外オフシーズンも釣りの空気感が律義に滞在してくれる。
個人のホームページもだが、ショップやメーカーのページも頻繁に更新がされるところはやっぱりよく見る。
メーカーのページなら、新製品や限定品とかの情報を、それこそ鵜の目鷹の目で探し回る。川へ行かない分、強く刺激を求めるのは自然な事なのだろう。

フライフィッシングのホームページを作っているからという事情もある。元来あんまり研究熱心でもないし、釣りを取り巻く社会的な事情にもうとい。そんなだから、更新内容にも苦労している。でもその分、あれこれと目を向ける努力は一応しているのだ。
その結果、なんだか365日フライフィッシングがかたわらにある。
iPod photo のアマゴの画像は接続ケーブルを行ったり来たり。
デジカメの撮影画像は一応全部とってあるのだが、なかなかそれらを引っ張り出して(画像ビューアーのアプリケーションとかで)見ることはしないものだ。何かの折りに先シーズンの釣行記を見返した時に、(こんなことあったなぁ)っていうのがあるくらいか。
それに対して、近づく解禁を前に今年の釣りをイメージ(妄想?)したりは、結構する。過去は振り返らないが未来は見る、という訳だ。
メーカーのホームページで見る新製品や限定品がそれを助長し、そうなるとじっとしてられなくてロッドやリールを引っ張り出す。狭い部屋で7フィートのロッドを継いで、半年ぶりの弾性を確かめたり(しませんか?)。
そうなってくると、去年やおととしの画像だっていやがうえにも見たくなる。
バックアップの外付けハードディスクから、画像の入ったフォルダを丸ごとPowerBookに転送してブラウズする。
すると、思いがけず鮮烈に去年の釣りが蘇ってくる。それは解禁になって釣りに行くのが当たり前になると、逆に薄れてしまいがちな釣りの新鮮な印象と同じだ。
きっと半年間のオフとモニターに写る画像は禁漁期間が明けた時に、もう一度初めてフライロッドを振った時のようなドキドキする感覚を味合わせてくれるはずだ。
Old Mac で画像のブラウスはきついから、せめて文章をしたためる。