其の六十四  フライタックルの呪縛とワイヤレスの関係
ワイヤレスのネットワーク環境って、フライフィッシングのライトタックルに通ずるモノがあるなぁ、ってふと思ったりする。
ナンダ、ムリヤリだな。ここの管理者ときたらネタに困って思いつきのこじつけで更新しようとしているゾ、って思った貴方、半分正解。
まあ、それはそれとして(?)、解禁を目前にした、釣りに盲目な私の独り言にお付き合いくださいな。
ポリカーボネイトの白い物体に侵食されつつある我が家。
Apple社のAirMac Extreme ベースステーションを買った。
ADSLモデムを繋いでインターネットに接続したり、ほかのMacとファイル共有をしたりと、ワイヤレスでネットワーク環境が構築できるシロモノだ。まあ、そうはいっても狭い部屋なんで、Ethernetケーブルで接続しても全く問題はないのだが、物理的な距離は近くても、ケーブルで繋がっていないというだけで、なんかこう呪縛から解き放たれたっていうような解放感がある。
呪縛? はて、フライフィッシングにおける「呪縛」とは・・なんだろう?
番手でその姿を大きく変えて行くフライフィッシングの道具は、高番手であれライトタックルであれ、そのひとつひとつがこう、極めているって感じがする。
渓流では低番手が出番となるが、ロッドを振ってラインを伸ばして行く事には変わりはない。軽いフライをより遠くのポイントへ運ぶためにラインを繰り出す。フライが着水したあとも、メンディングやらなにやらとナチュラルドリフトさすのに忙しい。
ああ、そうか、ラインがなければもっと楽なのに・・。ラインがフライにとっての呪縛なのか。
なんなんでしょう? このカタチ。
よもやフライフィッシングをワイヤレスでってことはありえんが、極限までそれに近づけようという動きはいろんなフライ用品メーカーの商品開発に見られる。
S社の専用ラインを使ったロッドは、それこそ極限まで軽さにこだわりウルトラライトのラインとロッドを出している。
ラインが細く軽いと言う事は、プレゼンテーションの精度には不利だが水面への着水の気配のなさやドリフトでは圧倒的に有利となる。それはまるでラインがない、と思わせるほどだ。

リーダーにしてもティペットも、強度と柔軟性を両立させた製品が出ている。より細く、でも切れない。それらの製品はその存在を消し去る寸前まで突き詰めているに違いない。
「ない」ということは、きっと究極の武器なのだ。
物理的には魚がフライに食いついたあとのやり取りもあるのでラインがなくなっては困るのだが、低番手を突き詰めた製品の登場の経緯はワイヤレスネットワークに求められるものとオーバーラップするような気もしないではない。
いずれにしても私の部屋も、乱雑に取り回していたEthernetケーブルの呪縛から解き放たれた。いやー、すっきりしたわ。
でもホントはAirMacの自慢がしたかっただけじゃなかったのかって?
貴方、半分正解。
明かりを消しても賑やかになりました。