其の八十  ハックルを巻きましょう
いろんなマテリアルが出てきて、フライのスタイルもかなり変わってきているが、コックハックルが姿を消す事は・・まずないだろうなぁ。
タイイングに燃える時期を過ぎてしまって久しいが、たまに机に向かうとやっぱり毛ばりを巻くのって、面倒でもあるが楽しくもある。

タイイングの中でも、私はハックルを巻くのが好きだ。くるりと一回転するたびに、ハックルの毛がぴぴぴっと立っていく。なんかフシギじゃー。
ぱらりと軽く巻くのがいい。わかってるけど巻きすぎてしまう貧乏性の私。
実に様々な色のハックルケープを買いあさったが、実際に良く使うハックルは(ロッドは、服は、靴は、・・・)あれとこれとって具合に 決まっている。
ま、結局そうなんだろうね。お気に入りのハックルを気合いを入れて巻いたフライは、そりゃ釣れる(気がする)でしょ。

スタンダードパターンとパラシュート。まずはこれ。密にびっしり巻いたり、ぱらりと軽く巻いたりと、巻き方にもバリエーションはもたせるが、押し並べて巻きすぎる。残すともったいないとか、たくさん巻いた方が浮きそうとか。
お気に入りのコーチマンブラウンからグリズリー、ライトブルーダン、そしてゴールデンオリーブ。
実際にはきっと巻きすぎない方が良く浮くンだろうし、ハックルの巻き密度で浮力が決まる訳でもないのだろう。巻きすぎると自重が浮力を負かしてしまいそうだし。
それはわかっているつもりだけど、(あともう一回転)ってくるりとやっちゃうんだよなー。やっぱりハックルを巻く作業が好きだから、せっかちにそうしてしまうのだろうか。 
ま これは次からはちょっと直しましょう(直せる?)
それにしても、とても人工的には作り得ないこのマテリアル。こいつを使う唯一のジャンルであるこの釣りに巡り合ったのは、幸運だったなぁ。
ハックルを巻くのが好きなのだから、当然その道具にも目が行く。
ハックルプライヤーも様々なものを使ってきたが、今のところ C&F社 の製品をメインで使っている。リングに指を掛けて使うものと、ロータリー機構のものと両方だ。
プライヤー部と手で持つ部分とのジョイントにラバーを使っているので、ハックルを引っ張る具合がとてもいい。
これを使うことで、より一層ハックリングが楽しくなる。
アルミのパーツが重厚感と使用感の良さを増長する。
毛ばりのイチバン毛ばりらしいのはやっぱりハックルを巻いたタイプかなぁ。
ハックルを使わないパターンもかなり出てきているし、その中には使い勝手の良いものもたくさんある。
でも、巻いて楽しいフライは釣りで使ってても楽しいし、それで釣れたら言うことなし。

ぱらりとやるそのヒト巻きに、来シーズンの釣りの光景を重ねてみる。
バイスにはさまれた毛ばりの向こうに、またいつもの渓が見えるようだ。
パラシュートでも巻きすぎないようにね。