其の八十九  フライバトル Round 1
友人Xからメールが来た。
T社の新しいフックでシーズン前の巻き貯めをしているようだ。
僕がこのホームページに載せたもんだから触発されて・・、と言う訳でもあるまいが、フライの画像が添付され、フライボックスもかなり埋まってきているよ〜、と書いてある。
「これはチョーセンジョーか?」と、無理やり熱くなる振りをして、僕もバイスに向かう。
しかし、一本巻いたらちょい休憩。なかなかタイイングにも体力が必要です。
ラムズウールのウィングをまとったダンパターン。
ヤツがダンパターンで来るならこっちは・・・。お、思いつかん。
とりあえず何本か巻いたパラシュートとCDCダンをまた巻いてみる。ま、そつなく巻けるのだがナンか物足りない。友人Xのラムズウールウィングのフライが気になっている。
それならばと、曲がったシャンクの効果を目一杯意識したパターンとして、クリップルダンを巻いてみることにした。
ボディを水面下に宙づりで沈めるパターンとしては、こいつはなかなかの実力者だ。
満を持して巻いたこの一本。
早速デジカメで写して、メールに添付して送信。どうよ X このフックにこのフライ。ナカナカのモンでしょ?
と、しばらく返事はなく、その間にも少しずつフライを巻いていく。

普段そうはマッチザハッチを意識しないのだが、解禁当初は半年間の休暇が逆に「水生昆虫のハッチを見極めなければっ」っていう気持ちにさせる。
春浅い渓に立ち、飛ぶ虫を目で追うとその次にフライボックスを手に取ることになる。
私の巻いたクリップルダン。面倒でもフェザントテールのボディにこだわる。
「あ〜、アノパターン巻いて来ときゃよかったなー」って思うことは結構ある。だからありとあらゆる状況を想定して・・・、いやそうじゃないか、考えつくありとあらゆるパターンをとりあえず用意して、解禁に望むのだ。
そうなると、この時期タイイングのペースが上がるのは極めて自然なことなのだろう。シーズンに入ってちょっとすると、ともすればカディスとパラシュートだけでいいやってなりがちだが、初盤だけはそれじゃダメだという気持ちになる。
さて、もうヒト巻きせねばと思っていた次の週末、また X からメールが来た。
性懲りもなくまた画像が添付されていた。なになに? と見てみると、またしても新型フックを使ったフライの画像ではないか。むむむ〜っ、これは!?

な、なんとキールで巻いている。
う〜む、そうきたか!?
ちょっとその発想はなかった。シーズンに入ってからどれだけキールフライを使う機会があるのかは別として、今回の新型フックでこれを先に巻かれたことがくやしい。
これは・・・、このままではすまさんっ!(ってまた無理やりアツクなってます)
着水姿勢などの使用感は、解禁後にレポートするってさ。はあ、そーですか!?