確かに新緑が芽吹き、ハッチやライズの話もよく聞くようになりました。寒い冬が過ぎて春に移ろい、にわかに騒がしく落ちつかない季節になったようです。
ただ、ここのところの温暖化の影響でしょうか、気持ちの良いこの季節にして、夏を思わせる陽射しはやっぱりこたえます。
人それぞれに暑さを乗り切り気分転換をする工夫をもってるンでしょうが、私は例によって天空の避暑地へ逃げ込む事にしました。いわゆる「心の洗濯」ってヤツですか?
地域によっては真夏日を記録したようです。
西中国山地の中でもかなり標高の高いダム湖畔にある、まさに天上界とも言えるキャンプ場。ここってやっぱり街よっかは天国に近いのかしら?
ただ、その天上界は世捨て人でなくとも無料で出入りできるようです。世間では黄金週間などと申しまして俗人達が天上界に出向いてきますが、果たして街と比べて本当に「避暑」となるものなのでしょうか?
きっとみなさん、逃げるのは暑さからだけでなはいはずで、例えひとときでもいろんなシガラミを脱ぎ捨てるためにここにやってくるはずです。
天上界は連休の人出で混雑気味でした。
さて、我々はと言うとまずは釣りです。今回一緒に天上界キャンプをするロッドビルダーM川氏とK本氏を乗せて、私の車は一旦下界へと降臨して行きます。
さんさんと降り注ぐ陽光は魚達の動きを止めてしまいそうですが、手だれの釣り師ふたりはそんなことはみじんも気にかける事もなくロッドを振り始めました。川幅が広くゆったりと気兼ねなくフライラインを伸ばせるこの川は、たくさんの釣り師にいじめられた気配を感じさせない、気持ちの良い反応を見せてくれました。
狙いを定めるおふたかた。魚はさしずめ○○に睨まれた××ってとこでしょうか。
プールに立ち込むM川氏。ラインが気持ち良く伸びています。 K本氏は果敢に瀬を攻めているようです。
おや?ゲロやんではないですか。果たして釣果のほどは? こちらはキャンプ常連のK.b。去年の爆釣モードも今回は沈黙でしょうか。
天上界をとりまく川での私の釣りはどうもかんばしくありませんでした。まあこちらの方はまた後日きっちり釣らせていただきます。
今回の本分であるところのキャンプの方に戻る事にいたしましょう。きっとテントサイトはかなり混雑しているんでしょうねぇ。以前は限られた者だけの絶対領域だったはずがいつの間にかすっかり大勢の方々の身近な憩いの場になったようで、それは喜ばしいようなでももうちょっと空間を独り占めしたいような複雑な気分です。
狭い空間に押し込められると誰しも余裕を失いがちなのは日常の街の生活で重々おもい知っているのですから、わざわざ街を離れてまでそんな思いをしなくたってって考えるのですが・・・。
でも心の洗濯ってきっとごしごし洗って目に見えて汚れが落ちて行く、っていうものでもないとも思うので、まずはしっかりと星降る天上界の夜を満喫することにいたしましょう。
つづく