あれっ!? 今年の解禁日はゲツヨウビじゃんかっ!! なんだよもう。今回は「アテ」があったのに。1週間だけ待っててくんないかなー、ほかの釣り師に釣られないでさ、あいつ。

それにしても、あっけなく半年が過ぎてしまったなぁ。確かに早く釣りをしたいっていう気持ちがある反面、まだのんびりとしててもイイかなって思う気持ちもないではない。もちろん三月になったからっていっても釣りに行かなきゃいいんだけど、いざ「解禁」のホイッスルが鳴ったら、やっぱりおとなしく部屋でゴロゴロとはしてられない。
あそこの川がどーとかここはどーだったとかの話も聞こえてきちゃうし。そうなるともう気持ちはすっかりうわの空ならぬうわの川さ。
準備はできてんだけどね。
解禁前に釣り具屋へ寄った。遊漁券を買うためだが、やはり解禁を目前にして落ち着かないのは私だけではなかったようで、同じ目的で店を訪れる人がすでに二人、あとから三人やってきた。その間隙を縫って目ぼしい漁協の券を買ったのだが、ある川の遊漁券は記録のノートにすでに数十人ものそうそうたる名前が書き連ねられていた。やる気満々である。
私も早速その川とほかにもう3ヶ所の券を買ったのだが、そのうちの一つは私の前にはひとりしか券を買っていなかった。むむっ、これは思い掛けない穴場か? それともただ人気がないだけか?? でもこうなると私の前にこの川の券を買った人が妙に気になる。
ちらっと名前を見ても知ってる人ではなかった。あんまり見ちゃいかんだろうと思いながらも住所を見てみたら、なんと私の住んでいるすぐ近くだった。
もちろんただの偶然だろうけども、すぐ近所に住んでいるふたりだけしか入渓しない川での釣りがとても特別のように思えてしまう(いや、ふたりだけってことはありえんね)。
顔も素性も知らない、偶然の魚券の購入追い番が1と2というだけで、なにか不思議な今シーズンの幸先を感じた。
今年は行かない川の券は買いません。
(当たり前だな)
いや、待てよ!? 「アテ」のあいつを見たのは確かここの川だっ。急に胸騒ぎがしだした。魚券No.001のこの人が釣っちゃうような気がしてならない。それはなんの根拠もないことなのにどうしても不安に狩られる。
この人はどうしてこんな人気のない川の券を『いの一番』に買ったのか? それはイイ魚がいることを知っているからにほかならないのでは??
ああ、もう冗談じゃないっ!!! 次の週末までが一年くらいに長く感じるじゃないかっ!
早く早く、早く一週間たてっ!