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高速に乗るともうほとんど土砂降りだった。
一気に戦意喪失、これはさすがに釣りは無理かと思い始めていた。 「空が少し明るくなってきた」と、M川氏もなんとか自分を奮い立たせようと、そう言った。 「車がきれいになるなあ」と僕もつまらないことを言ってしまう。 林道を歩き始めてかなりの時間が経った。車で入るには荒れ過ぎた林道は、人が歩く分にはもちろん上等すぎるルートだ。 M川氏が林道から流れを見下ろしていた。この辺りからが良さそうだ、ということか。 僕は川に降りれそうな場所を探して、笹原の中に踏み跡らしいものを見つけた。ここからならなんとか降りれそうだ。 M川氏と川へ降りた。なかなかの渓相、水量もいい感じだった。 交互に釣り上がり、M川氏の番の時そのヤマメは出た。M川氏の6フィート3インチが気持ちよく曲がっている。 その先のポイント、今度は僕の6フィート3インチがグイッと曲がった。
6'3" そろい踏み。二本がそろうと何かが起きる!?
なんでもないような浅い流れでフライの横がうねった。フライに食いついてはいない。
もう一度キャスト。また接近。しかし食わない。 三度目、食った。合わすとググイっとロッドが曲がった。この引きはゴギだ。よし、今度は、・・・っとまたバレた。 おいおい、そりゃないだろ。僕はぼう然としてしまった。 M川氏もバーブレスの苦い思い出を話してくれた。それにしても、こうも良型をバラすとさすがに堪える。 さらにその後、僕もM川氏も良型を一匹づつバラしてしまった。
ここぞというポイントで沈黙。むむむ〜。(写真提供 M川氏)
バタバタしましたが、6"3'でダブルヒット。
二つ目の川も増水はしておらず、まずまずの水位を保っていた。
ここはアマゴの川だった。 まずは僕が小さなアマゴを釣る。しかしテンポよくアマゴが出てくる様子はなかった。 しばらく行くとたっぷりした開きの溜まりがあった。ここは見るからに良さそうだ。 僕がキャスト。ぼそっとフライのあたりが揺らめき、合わすとドスッと重い手応えに6フィート3インチがグンと曲がった。 (よしっ、今度こそ)っと思った瞬間、またバレた。まただ。 「うそー」っと僕は声をあげた。M川氏もどう声をかけていいか困ったふうだった。
M川氏と入ることにした川はほとんど雨の降った気配はなかった。
僕たちは良さそうな流れを探して林道を歩き始めた。 何匹かヤマメが釣れたが、さっきバラしたやつほどのサイズは出てこない。 (夏はバーブレスはやっぱり不利かあ)とぶつぶつ言いながら僕はロッドを振った。 しかしなかなかゴギが釣れてこない。本来この支流は流程の大半がゴギ域だった。 なんとなく先行者の影を僕たちは感じ始めた。
ゴギを狙うがなぜかヤマメ。まあそれでもいいのだが。
昼飯を詰め込んで腹が落ち着いたところで、次の川をどうするか考えた。
この川の少し下ったあたりにするか、思い切って水系を変えるか。 僕もM川氏も決定打となる川を思いつかず、とりあえず帰る道すがら別の川を見ながら走ってみることにした。 国道沿いの川を見つつ走っているとM川氏がひとつの川の名前をあげた。 それは僕ももう久しく行っていない川だった。なにかあるか? きっとM川氏も琴線に触れるものを感じたのかも知れない。
第2ラウンド開始。この川はどうか?
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M川氏に続いて、こりゃあ幸先がいいゾっと思うのと同時にバレた。あ〜、なんというドジ。いいリズムに乗ろうとしていたのに。
なかなかの型だった。まだ釣り始めて間もないこんなミスを僕はいつまでも引きずってしまうのだ。 高速を降りたところでちょっと小雨になった。峠を越えるとほぼ降っておらず、道路沿いの川も目立った増水は見られなかった。 しかし途中で寄った支流だけは泥水が流れていて、場所によって降り方に大きな差があったことがわかった。
雨上がりの渓は無論蒸し暑いに決まっている。
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見事な保護色。半透明のグリーンホッパー。
ネジバナの咲く草原で。
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その後だんだんと魚の反応がなくなってきた。
むしろこれからがゴギのエリアのはずだったが、どうも様子がおかしかった。 前方で音がした。車のエンジン音だ。見ると林道を上流側から車が下ってきた。 これはもう釣り師に間違いない。この荒れた道を車で平気で入ってきていたのか。 これ以上やっても状況は良くなりそうにはなく、僕とM川氏は車まで戻ることにした。 こんなに釣り上がっていたのか、と思うほど車までの道のりは遠かった。
車の傍らでイトを直すM川氏。
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意気消沈で全く無防備にその先のポイントへ投げた。しかし釣れる訳ないのでラインを手繰った。
するとグイグイとロッドが曲がる。なんだ?なんだ? 「掛かっとるじゃないか。あんた変わったことするのう」とM川氏が言った。 僕は訳がわからずアマゴをネットですくった。 僕が写真を撮っているとすぐ上のポイントでM川氏が 「並べて写真撮れるで」と叫んだ。 見ると明らかにいましがたの僕の6フィート3インチよりもM川氏のロッドが大きく曲がっていた。
「まだまだいますね。」「おるのー。」
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