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僕の住んでいるすぐ近所に小さな川が流れている。
川の上流は小高い山になっているから、ちょっとの雨ですぐに増水してしまう。 その増水加減を山の渓流の増水の目安にはできないけれど、増水した水が減水する、水位の引き代の目安にはなるのではないかと思った。 この時期の観測史上最高の降水量を記録したあとの週末、普通ならちょっと釣りには行かないところだが、近所河川の減水予測はGOサインをだしていた。 じゃあ行くか。
水中のニンフ。こりゃあ釣れるわ(と自画自賛σ(^_^;))
ヌルっと魚体が出て合わすが空振り。これには思い当たるフシがあった。
増水している時は魚は水面での捕食が下手になる。流し方がまずい訳でもないのにフッキングしないことが多い。 水が多いことで水中の魚にもなにやら具合の悪い事があるのだろうと、僕はそう解釈している。 また出たがまた空振り。そしてラインは頭上の枝に絡まってしまった。狭い川はこれだから・・。 それにしても気候はなんとも気持ちいい。暑くも寒くもなく、汗もかかない。今が一番いいな。
記録更新の雨が止んでから3日経っていた。とは言えまだ増水は引ききってはいないだろうから、多少増水しているくらいがちょうどいい小さな支流に向かった。
読みはまずまずで、その支流は程よい増水加減だった。 この川はゴギの川だし、増水すればゴギの活性も上がるはず。 しかし川に入ってすぐにその川の小ささに閉口した。小ささもだが両岸から川に倒れている倒木の多さもだった。 これも今年の雪の多さがもたらしたものなのだろうか。
朝のハッチは必ず犠牲を伴う。
スッとフライが消える。合わせる。アマゴが出る。リリース。
ヌッとゴギが出る。合わせる。パシャパシャっと跳ねながらゴギが寄る。 妙だ。さっきからアマゴとゴギが交互に釣れている。こんなことは今までに経験がない。 だいたいどちらかだけになっていくものだ。途中でポイントによってはそうでない方が出ることもたまにあるが、交互ということはない。 ついには同じポイントでゴギとアマゴを釣ってしまった。 それにもうひとつ、さっきからやたら釣れる。増水時のドライフライ食い損ないの法則はどうなったんだ? どうもいつもと様子が違っていた。 推測の域を出ないが、増水がゴギとアマゴの生息域の境界を曖昧にさせているのかもしれないと思った。 ここは平水時には相当の細流で、それが今は普段水が流れないところにまで水が流れている。 そのあたりのことが関係しているようにも思えた。
今年一番小さな川に入りました。
ピシャッと水面が跳ねて白い魚体が踊った。アマゴだ。
ゴギゾーンになったのかと思ったがまたアマゴがきた。 同じ流域ではゴギよりヤマメやアマゴが強いと言う話を聞いた事があるが、するとこの支流も徐々にアマゴに侵攻されてきているのだろうか。 フライは迷った揚げ句、半沈みのパラシュートを結んでいた。これも結局はドライフライなのだがなんとかくわえてくれたようだ。 ちょっと行くとゆるい溜まりがあった。フライを投げるとのそっとゴギが出てきた。
ゴギは自分のテリトリーを守れるのか?
この川は奥に行くにつれ少し開けるところがある。そこまで行くとキャスティングも楽になる。
目ぼしいポイントからはほぼ反応があった。しかし空振りが多い。何度か目でようやくゴギが釣れた。だいたいここにはゴギを釣りにきたのだ。ようやくここからゴギゾーンに突入のようだ。 ふと何年も前に増水の川で水面下のフライが大当たりだったことを思い出した。これだけドライで出ても空振りするのだから、ここはちょっと沈めてみることにした。 ノーウエイトのニンフを結び、少し上にインジケーターをつけた。このシステムでしばらく釣り上がる。しかし目立ったアタリはなかった。 こうなるとなにを結んでいいのかだんだんわからなくなってきた。あきらかに水面のフライは食い損なう。しかし沈めても反応が良くなるふうでもない。増水時の釣りの法則も時として破られることもあるようだ。
川歩きで疲れた足には草地の柔らかい道が優しいです。
またドライでゴギとアマゴが釣れた。もうニンフを結ぼうとは思わないが、この変わりようはなんなんだろう?
と、目の前の石の水際を見て僕は気が付いた。 水面の位置よりも水の跡が3cmくらい上に残っている。 減水しているのだ。朝からだんだんと水位がさがってきたからドライフライにうまく出るようになったのだ。 近所の川の減水予測もなかなかの精度だ。 またフライがスッと消えた。 合わすと銀色の魚体が水中で鈍く光った。
ハッチしたてのカゲロウが何匹もクモの巣に捕まっていた。まだぱたぱた動いている。
クモの巣に捕まったカゲロウは時間の経過とともに動かなくなってしまうが、クモの糸にからめとられるとそれだけで死んでしまうのだろうか? それとも体の動きを拘束されてしまうとダメなのか? ぬわ〜っと水底から出た魚がフライをくわえた。アマゴだ。 ゴギの川のはずだが、まあいい。増水の日の貴重な一匹だ。
水中を切る銀色のブレードの正体。
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ゴギの川のアマゴ。彼女たちの侵攻はどこまで行くのか?
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この細流にも実はいるのですよ。
荒れた川は倒木や覆い被さる枝で苦戦を強いられる。
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