其の百九十八  三月の控えめなタイイング
ようやく今年最初の釣行も済ませ、初ヤマメも釣ってホッとひと息というところだ。
しかし今年は天候もどうなってるんだっていう感じで、なかなか落ち着かない。
取りあえず一回行ったからフライが足りているかいないか、どんなフライがあれば、とかの感触を得た。
それをもとに次回の釣りを想定してフライを巻いてみることにした。
釣りの直後だと巻くフライも禁漁の時とは違ってくるだろうと思った。
釣りが始まってから巻く毛鉤にはある傾向がある。
初釣りはドライでもニンフでも釣った。ライズにも出くわした。
ライズは水面上に対してのものではなかったから、水中を漂うフェザントテールが効果を発揮した。
それならとすでに何本か巻いてあるフェザントテールではなく、弾不足気味のヘアーズイヤーのニンフを巻いた。
水中の微妙なところを漂うニンフでヤマメを釣る。なかなか盛期になったらやらなくなる釣り方だから、この解禁後のまだ水が冷たいうちにやっておきたい。
去年に続いて使っているループインジケーターの反応もかなり感度がいい。
ヤマメの焦点が水中に集まり、それを水中のフライで釣ると言うのは、それが当たると面白い。
しかしそれが水面へとステージが上がってきたら、それ用にフライを変えなければならないのは当然だ。
無難にCDCダンとかを結ぶのが常だが、この前はスタンダードパターンが功を奏した。
ウィングはちょっとCDCを添えた程度のハックルフライのようなパターンだった。
人の立場での感覚ではあるが、フライは控えめなドレッシングがよく釣れる・・・ような気がする。
控えめにCoq De Leon を混ぜて巻いてみました。
ちょっとだけ巻き止めて、でもアピール力に長けるマテリアル。すぐにCop De Leon が思いついた。この張りと光沢のあるまだら模様のマテリアルこそ、控えめとアピールを両立させる材料だと思った。
ほんのわずかをシャンクに載せて巻き留める。あとは立てて混ぜるようにハックルを巻いていく。
うむ、これは釣れるなと自画自賛。だが当然こういうフライは見えにくい。キャスティングのコントロールがものをいう。見失ってヤマメが出て初めて位置を知って、それからフッキングしたらたいていの場合が間に合わない。
場所や光の具合で使い分けないとフライの出来栄えだけでなく釣果も控えめになりかねない。
ドライで小さなインジケーターをつけるのには抵抗があるが、それもしていかないといけないかも知れないなあ。
視認性では心細く、ヤマメを誘う力は自信がもてそうな、そんなフライを僕はもう一本巻いた。