其の二百八  手のひらに収まるもの
フライの道具で釣りの時に一番長く手にしているものは間違いなくロッドだろう。
コルクのグリップはその形状も様々で、それを持つ釣り人の手の大きさや指の長さ、太さ、握り方の癖もこれまた様々。
でもグリップの握り心地最優先でロッドを買うってことはあまりないだろう。
気に入ったロッドのグリップに手の方を合わせるというのが現実的かなあ。
禁漁になってロッドを持たなくなってからも、手にする道具の握り具合が気になるものはある。
携帯電話に比べたら横幅は長いはずなのに。
iPhone4は買うには至らなかったが、第4世代のiPod touchを買った。これにWiMAXのモバイルルーターでネットをすればかなり快適だ。
ディスプレイもきれいだし動作もきびきび。そしてサイズが横幅が小さく厚みも薄くなったのがいい。
携帯電話に比べたら横幅は大きい一連のスマートフォン。指を裏側に回し込んで握ると、携帯よりは表に指が届かない感じが強い。それでも使いやすいと感じるのはマルチタッチのUIだからだと思う。
それに加えて今度のiPod touchは幅と厚みがサイズダウンしたのだから、実に手に馴染む。
普段の生活でべったりスマートフォンに依存している訳ではないが、WiMAXを契約してから使用頻度は間違いなく増えてきた。
良く使う道具なのだから、手にした時の収まり具合は気になるポイントだ。
毎年九月になると翌年の手帳が各メーカーから一斉に発売される。
僕は以前は仕事用に小さいシステム手帳を使っていたが、ここ数年はもっぱらモレスキンを使っている。
90mm×140mmのポケットサイズのものを買っていたが、2011年版から6.5mm×10.5mmのXSサイズが新たに加わった。
このXSサイズの手帳のフットプリントがiPod touchとほぼ同じだった。
メインの手帳としては書く領域が小さいかもしれないが、持ち歩くにはちょうどいいサイズだ。
厚みは全然違いますけど。
そしてやはりこのXSサイズのモレスキンを手で持つと、そのしっくりくるサイズが実に心地よい。
iPhoneやiPod touchにしても画面サイズと持ち運びの両方のバランスの一番いいところをとってあのサイズにしているのだろうか。
それともこれらの道具たちもまたそれを使いたいがために、無意識のうちに手の方を合わせているのだろうか。
いずれにしても手のひらに収める道具たちには、長く気持ちよく使うための持ち具合、使い心地というものがあるようだ。
ロッドとモレスキンは来年までお預けだが、iPod touchはこれからが手に取る楽しみ、使う楽しみを味わえる。
この心地よいサイズ、常にポケットに入れて出掛けることにしよう。