其の二百二十一  ベイトフィッシュを巻く
海用のロッドを新調してからなんとか魚は釣れてはいるが、かなりの貧果であることには間違いない。
もっと釣れるためのやりようはあるのだろうけど、まずは今できることをするしかない。
そうなるとやっぱりフライの出来如何が気になってくる。
そもそも僕自身どういうフライを巻いてどんな魚を釣ろうかと言う狙いが定まっていない。
海へ出掛けてもその日の様子で方針はブレまくりだ。
海用ワレットにはなにやらよくわからない
フライがうごめいています。
リアルにベイトフィッシュを現していないことは明白だ。
どちらかと言うと稚魚や小型甲殻類全般を現している曖昧なパターンだな。
でもそういうフライも持っておいたほうが安心というか、それでないと手も足も出ない状況も考えられる。
だから曖昧パターンも巻いて持って行っているのだが、いざベイトフィッシュパターンが効果を発揮する場面ではやっぱりそういうフライを投げたいから、結局は両方巻いておくことになる。
ただ今のところそんな場面に出くわしたことは、まだないが。
こんなの巻いて、ホントに使うんでしょうね?
最初の方針はベイトフィッシュパターンを巻いてフィッシュイーターな魚を釣っちゃおうという目論みだったのだが、いざ海へ行くとウンともスンとも言わないので、そうなると無難に何かを釣っておこうということになる。
それがその無難さえ危ぶまれてくるともう魚ならなんでもいいから釣らないと、と言う具合に追い込まれてくる。
そんな状況だと、ベイトフィッシュパターンのようなそこそこ大きめのフライではとても釣れる気がしない。もっと小さなフライがあればなんとかなるんじゃないだろうか、ということで小さなフライを巻くことになる。
じゃあこの冬になんとか釣ったフライはどうだったかというと、フックは#12くらいでクリスタルのマイラーチューブのボディにEPファイバーのウイングとアイをつけたパターンだ。
これは果たしてベイトフィッシュか? それともシュリンプを模したパターンなのか?
そうこう考えていると、じゃあ小さなベイトフィッシュを巻けばいいじゃないか、と思った。
ベイトフィッシュとして巻いたフライはフックが#6くらいで全長が3cm〜5cmはある。
これを#12で3cm以下になるように巻けばどうだろう。
でマイラーチューブにクリスタルフラッシュを通し、アイを付けただけのコルサーミノーのようなフライを巻いてみた。
ファイバーをトリムして作るのは小さいサイズはむつかしいが、これなら曖昧パターンよりも簡単だ。
これでワレットの中は、方針の定まらないフライがまた増えてしまった。
魚へのアピールはいかほどのものか?