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其ノ二百四十五 島への期待と焦燥
前回の釣り、そして家でのタイイング。そろそろ機は熟した感がある。
潮は十一時満潮。着いてちょっとしたら潮流が始まる。今年二月頃の下げ潮のあの快釣をもう一度、と車を島へと走らせた。 もはやこの潮で同じ島へ行くのだから、同等かそれ以上の釣りは固いだろうと思っていた。 満潮の港。車の中でおにぎりを食べながらほかの釣り人の動きを見る。 あまり釣れている感じではない。
トンネルの先に海。穏やかさに期待度上昇中!?
あかーん、よくフライに食いついたな、オマエ。
島の手前の釣り具屋に寄った。橋を渡る回数券を買うためだった。
ついでに商品を眺めているとメバル用のサビキのようなやつを見つけた。 鉛のヘッドに緑の魚皮のウィング、そしてきらきら光るアンダーウィングと、ちょっと前に僕がよく巻いていたフライに似た感じだった。 ま、ひょっとしたらということもあるから買ってみるか、とそんなことを考えてその商品を手に取った。 (こんなんで釣れたら苦労はせんのよ)
時折晴れ間も見えるがすぐにまた太陽は隠れてしまう。
ひとりふたりと釣り人が帰り始めた。どうやらこの人たちは上げ潮で釣りをしていたようだ。満潮になったら帰る予定できていたのだろう。
車の中でゆっくりして、ようやく僕は外に出てみた。思った以上に寒い。最初晴れていたのにだいぶ雲が広がってきていた。 ほとんど釣り人がいなくなった港で僕はロッドを継ぎリールをセットした。まずは二月の時に好調だったシラスフライを結んだ。 海の様子はまだ潮が動くと言うほどではなかったが、足元に小さいメバルが泳いでいるのが見える。 そうなるともうおとなしく待ってはいられない。僕は足元のメバルの更に下にいるであろう、大型メバルをめがけてフライを落とした。 ![]() ![]() ![]()
とんでもないチビメバルを釣り、そのあともフライに反応はするが食いつかないといういつものパターンが始まった。
まだちょっと早いか。 すっと隣におじさんがやってきて 「なにや?」と尋ねてきた。 「はあ、メバルを」と言うと、下の海面をひとしきりながめて何も言わず行ってしまった。 そろそろ正午だ。僕は早めに昼食を取ったが、島の人たちはこれから昼ご飯だろう。 朝のうちは晴れていたのに徐々に雲が空を覆い始めていた。 ![]() ![]()
漁船が帰港し始めた。そろそろ時間か。
この緑のフライが流れを変える??
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突然 iPhoneが鳴った。M川氏からの電話だった。
ある事で電話をかけてくれたのだが島へ来ている事を伝えると、この島のメバルのポイントを教えてくれた。 車ですぐの場所だったのでちょっとそこへ行って見る事にした。 M川氏の教えてくれたのは水の流れるポイントということだったがそこを見つける事ができなかった。 仕方がない。今日は最初の場所で勝負をかけるか。 元のところに戻るとそろそろ潮流もはっきりと確認できるくらいになっていた。
見極めるのは時間か、ポイントか。
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沈むフライにワサっと魚影が覆い被さった。
あっと思って合わせたがすっぽ抜け。こういう時は合わせるのか? もう一度フライを投げる。またくる。今度はUターン。 何度か続けるとメバルは飽きて寄ってこなくなった。 それでも大小の魚影は結構見える。見えている魚が釣れるかどうかと言うのもあるが、居るとわかるだけでやる気は出てくる。 防波堤沿いに移動しながらフライを投げていくと不意にロッドがグンっと重くなった。 さっきのすっぽ抜けほどではないがなんとかメバルが釣れた。
がっつりいきましたね。よほどご空腹だったようで。
潮流は徐々に激しくなってきた。陸からは目に見えない甲殻類やベイトフィッシュが流れ、それをメバルが追う。そこへフライを投げてパックリ・・・、とそう簡単にはいかない。
その後僕のフライに反応はするがくわえるまでにはいかなくなってきた。 潮流が止まるまでになんとかもっと大きいメバルを釣りたい。干潮までの時間は刻々と過ぎていく。 目先を変えるため、ダンベルアイをつけたソルトウオーターゾンカーに結び変えた。こいつでどうか? 流れにゆらゆら揺れるゾンカーにメバルたちはスッと寄ってくるがすぐに逃げる。大き過ぎるのか? ほかに変わったフライはなかったか、と、来しなに釣り具屋で買ったサビキのことを思い出した。サイズは小振りだ。ダメ元で付け替えてやってみる事にした。 ![]()
潮が止まった。島時間から町時間へと戻る時。
「釣りが好きかね?」と不意に声をかけられた。地元のおばあさんだった。
「はあ、そ、そうですね」 「でないと寒いのにこんなとこで立っとりゃせんわなあ」 おばあさんはそう言うとすたすたと去っていった。僕が釣り具屋サビキで何匹目かのメバルを釣った時だった。 釣り具屋サビキは圧倒的に反応が良かった。なぜこうも違うのか? 釣れるメバルは小さかったが、僕のフライは完敗だ。 おばあさん、これでまたあれこれ考えてまた来るんですよ。好きじゃないとできないです(-_^;) |