其ノ二百五十  海フライ Second Stage
フライフックのアイにただイトを結んでもカブラのようにならない。なにかいい手はないかと物色していたらこれまたいいタイミングで釣り具屋でT社の新型フックを見つけた。
そのアイの所で折れた形状はジグヘッド用のフックのそれだが、カブラの鉛部の構造と通ずるものがあるような気がした。
折れたシャンク部にはビーズをセットしてニンフを巻くフックということだが、僕はまずはシュリンプをどう巻くかを考えた。
このフックが全ての始まり(!?)
snaphook。これがどれだけの効果を発揮するか?
前回、橋で繋がっている海道を行ったり来たりしつつなんとかぱたぱたっとメバルが釣れたが、そのどれもが釣り具屋サビキ(カブラ)でだった。
まずは釣果優先で潮流のあるうちにとカブラを結んだのだが、やっぱり自分の巻いたフライで釣れないと不完全燃焼だ。
自分のフライも結んだが、明らかにカブラのほうが反応がいい。
なぜかとカブラを分析してみた。
でもそうすると次に僕がやりそうなことは、カブラに似せてフライを巻く、ということになりそうな・・・σ(^_^;)
フライの形状、結合部の抵抗低減、それにロッドアクションでカブラに対抗しようというのだが、果たして。
実際これらを盛り込んだフライを巻いてイトを付けて風呂でつんつんやってみた。
結果は想像したような動きはしなかったが、海で長いラインの先につけてロッドでやる場合はだいぶ違うはずだ。
少なくとも今までの僕の巻いたフライよりは工夫をこらしたものにはなった。
そう簡単に思惑通りには行くまいが、ちょっとでも変化が見られれば・・というところだが。
アイのすぐ先のシャンクが折れた所にダンベルアイを付ける。キールで沈むこのフックのフライを引っ張るとカブラに近い動きをする、そんなイメージが浮かんだ。
さらにこのフックのアイの向きも着目。このフックのアイの穴は水平方向ではなく縦面の垂直方向を向いている。ジグヘッド用のフックも大抵この向きだ。ここにただイトを結ぶだけではなくこのアイの向きをもっと生かせないか?
そこでこれまた釣り具屋でsnaphookを買ってみた。片側をイトに結んで片側をフライのアイに引っ掛けてはめ込むものだ。これだとツンツンした時、フライはイトで固定されていないからしゃくる動きをするのをよりスムーズにしてくれるのではないか?
それにこれなら新型フックだけでなく今までのフックにつけても同様の効果がありそうな気がした。
T社の新フック以外にもアイの穴が縦面のフックが釣り具屋にあったのでそれも買った。
ひとつ気になるのはふたつともバーブレスということだ。海でバーブレスか・・・。まあ、やってみるか。
カブラのドレッシングを見てみるとかなり控えめ。フラッシャブーとハックルティップが申し訳程度に取り付けられ、それを覆うように魚皮が取り付けられている。
それと比べると僕のフライは明らかにマテリアルの量が多い。もっと控えめの方がメバルの反応がいいということか。
僕はドライフライのハックルも巻き過ぎる傾向があるから、ここは少なめドレッシングを心がけよう。
もうひとつ、これがカブラの最大の特徴。ヘッドの鉛に縦に貫通している穴。釣りではここに釣り糸を通す。すると鉤に対して直角にイトが通ることになる。鉛は数ミリの厚みがあるから、イトを伸ばしてもイトとカブラは直線にはならない。
その状態で投げて手前に引くと、カブラは直角に通されたイトで引かれるからツンツンというしゃくるような動きになる。
これがメバルを誘っているのではないか、と考えた。
折しも時期を同じくしてこんなニュースを目にしたのもなにか巡り合わせのようなものを感じたし、つリ人社の雑誌の最新号にもこういったアクションを取り入れたフライの記事が載っていた。
snaphookとT社新フック縦面のアイの組み合わせで、どうか?