其の百七十四  テレストリアルのボックス (2)
ホイットレーのフライボックスをテレストリアル専用にして、古いフライや新たに巻き足したものでなんとか中身を埋めた。
そのあと一回釣りに行ったのだがその一回で使えそうなフライは全てなくしてしまった。
もともと巻き足したのは2,3本だったし、古いフライもいざ川で使おうかと思ってもなかなか手が伸びない。
良さそうなフライから順番に使っていったら、次々とクモの巣にティペットを切られてしまったのだ。
初めて買ったフライボックスが、このMYRANだった。
これだけフライをなくしてしまうと、部屋で新しく巻く労力がもったいない気がしてならない。
前の晩に巻いたばかりの自信作が一度も水面に落ちる事なくなくなってしまうと、さすがに頭にくる。
だから前回みたいに古いフライも取り混ぜて使うほうがまだいい感じだ。そう思ってまた引き出しや棚の奥をごそごそしていたら、またまた古いフライボックスが出てきた。
MYRANの小型のフライボックスだが、テレストリアルフライがびっしり入っている。かなり前のものだ。
そっかあ、昔はまじめにたくさんフライを巻いていたんだなあ。しかも今見ても結構使えそうなものもある。
古いフライと今巻くフライとではかなり違ったりするのだが、十分使えるレベルだしそれにあまり贅沢は言っていられないのもある。
MYRANのフライボックスを見ていて気が付いたが、以前はだいたいに今よりも少し小さめのフライをよく巻いていたようだ。
#14〜#16くらいが多くあり、#12のフックを使ったものは一本もない。
それでも十分使えるし、そうなれば新たに巻き足すフライは大きめサイズだけでもいい。
パターンもハンピーや光沢フィルムをシェルに使ったもなど、今では巻かない凝ったパターンがたくさんある。
昔はこういうフライが好きだったんだなあ。
新たに巻いたビートル。あれこれアピールを工夫して。
このMYRANのフライボックスはそっくりそのまま釣りに持っていくことにした。。
今年の夏、スカスカだったけど巻き足したフライが入ったホイットレーと古いがぎっしりのMYRANと、ふたつのフライボックスがベストのポケットにある。
夏にこれだけフライが充実した事って何年も覚えがない。
記録的な豪雨が続いているが、なんとかまた釣りに行ける状況になれば、フライの心配はしなくてすみそうだ。
あの川でゴギが待ってるなあ〜。
アントの決め手はシルエットのメリハリだなあ。