気象庁の統計指針とする「平年値」は、ある一定期間を過ぎると更新される。
そんな一昔前のころのデータと比較されてもねえ?ってことだろう。
当然である。

統計期間1971〜2000年の平年値によるとこの地方の8月の最高気温は30度を越えていない。
そろそろ平年値の見直し時期が来てるんじゃないですか?
山K氏いわく、「トラディショナルな夏」の典型。
山上湖のキャンプ場でいつもの仲間と過ごす夏は今年で何回目になるだろう。
若干参加人数が少なめだが、これはこれでシンプルでよろしい。
僕は初日の昼に到着したが、タープの必要性を感じない木陰の快適さ。着いてすぐにテントを張ればいいものを、まずはビールを飲んでしまう。そしたらテントの設営も道具の準備もやる気なし。
街の暑さが不快であればあるほど、この場所の快適さが増長されていく。

ところがふと風が止む時がある。そうなったら一気に暑さの反撃が始まる。この時の暑さは街のそれとなんら変わりはない。
夏の過ごし方は涼み方とも言える。せっかくこんな場所までやってきているのだから、「涼」を感じる過ごし方をしてみましょうか。
コンパクトなテント村。林間のリゾート。
いや〜ん、やめて〜(^.^;)。 焼き鳥は売るほどあります。
キャンプにおける食の占める大きさはすでに周知の事実だが、今回はそれに「涼」を求めてみた。
なにをトチ狂ったか、僕が買った豚バラは2Kg(!?) その物量に見ただけで食欲をなくすという逸品だ。焼き鳥もシシャモもわりとレギュラー化したメンバーだ。たこ焼きや焼きおにぎりなどの冷凍食品ものも手軽さと味のパフォーマンスは抜きんでている。
もちろんどれも美味しくいただいたのだが、そんな中異彩を放ったのが「鮎」だった。
釣りをたしなむ顔ぶればかりの割に魚を焼いて食べることがあまりなかった。串を打った鮎に化粧塩を施し炭火の上に立てる。
これは夏の正統派ですな〜。
頭からしっぽまで、骨も残さず。
スイカのにおいがします。
いつのまにか日は落ちて、蚊取り線香をたきながらの宴は続く。
火薬のにおいを嗅ぐことは、今時の生活では稀だ。そんななかでこれまた夏のにおいとでも言うべき花火をちょっとだけ。

七輪まわりでは夕方からの豚バラ煙幕が辺りを席巻している。Googleの航空マップでここのライブ映像を見たら白くもやっているのだろう。
おそるべし、豚の脂(牛よりはあっさりで〜す)。
控えめにキャンプ場の片隅で、パチパチと。
気がつくとまわりにはあまりキャンパーがいなくなっていた。
夏の休暇のキャンプ場は前ほどの混雑はしなくなってきている。
ほどよい間隔で快適な空間を占有できる反面、なにか寂しい気がしないでもない。
印象深い夏休みは、無難に滞りなく快適に過ごせれば、それでいいっていうモンでもないのかもしれない。
自宅に居ても帰省してもキャンプに来ても、どこにでも正しい夏の過ごし方はあるはずだし。
鮎が焼ける様もこの季節でないと似合わない。
つづく