第五話 トランスクィラ
    ナガレトビケラ

五月下旬、解禁からの釣り人のスパートでそろそろ川もくたびれてくる頃だ。雨も遠のき水位も元気がない。
釣りのペースも上がらないしこんな時は気分転換に(?)虫でも見る。
初夏の日差し。川も渇水気味。
ゴールデンストーン。体長30mm。これだけのサイズのフライを渓流で使う事は稀だが、文字通りマッチザハッチの状況でなら有用な場面は必ずあるはず。
五月のモンカゲロウ。
フライフィッシングのファクターとしてでなくても、そのシルエットの美しさは他の水生昆虫と比べても抜きんでている。
モンカゲの釣りをする機会はあんまりないんだけど、フライフィッシングをしている限りは縁が切れない気がする。

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今回の昆虫観察行(?)の目玉は某フライフィッシャーマンの著書にも載っている「トランンスクィラナガレトビケラ」だ。翅を閉じていると表面のつるんとしたごく普通のトビケラのシルエットだが、いざ翅を広げると・・・!

     (拡大画像があります→)
まさにカゲロウのディテールそのもの。少なくともほかの種類のカディスがこういう姿をしている所は見た事が無い。
このカディスが翅を広げる行為が何を意味するかわからないが、体長12mmの不思議を目撃した観察行(いや釣行)だった。

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