台風10号は日本海に抜けたが、それでも996ヘストパスカルの勢力を保っている。更に湿った空気がその南側に流れ込んでいるため、発達した雨雲が台風の中心の南側に尾を引きずるように伸びている。
その結果「台風一過」なんてこととはほど遠く、通過後も大雨洪水警報は解除されずにいるという状況だ。
ところが市内は一瞬、雨雲が切れてしまった。ちょうど私は私用で釣り具屋に居た。これから釣りに出撃するのだという人達を見てしまった。うーむ、これは行かない訳にはいかないでわないかっ!!
高速を降りるなり土砂降り!
インターネットのアメダスだと南部は止んでいても北部はまだ降っている。問題は水位だ。こればっかりは行ってみないとわからない。レーダーで見ると雨雲は南部だけでなく北部も切れている。こりゃぁひょっとしたらひょっとするかも。
午前11時。私は過度な期待を背負って高速に乗った。少なくとも台風の来る前の渇水の川よりかは、どれほど期待出来るかは想像に難くない。

しかし、その期待も高速を降りるなりの横殴りの風雨にへし折られてしまった。
川も山も水で溢れる。限度はあるけど。
川に着いた。
ほぼ、ダメそうだ。
フツウ、そう思うでしょ、あれだけ降ったんだから。
でもここ何週間か、渇水の洗礼を受けて散々だった釣果と言う名の重い十字架を背負わされている釣り人は、じっとしてなんかいられなかった。これはみなさんおわかりですよね(?)・・ ねっ(??)

まあいい(なにが?)、もう川に来たからには竿を出さない訳にはいかない。こうなったらハラをくくるしかないのだ。
うっ! こりゃ確かにダメかも・・。
きっと今日は釣り具屋に行かなかったら、だらだらとメリハリのない一日を過ごしていたんだろうということは容易に想像がつく。
そういう意味では釣りにならない釣りもなんらかのプラスにはなるはずだ。仮にサカナが一匹も釣れなかったとしても、この日覗いた川にここまでのまとまった雨量がどう影響するか?、この日の雨量でこの川の受け皿としての度量が計れる。
・・・なんてね、そんなゴタクもなんらかの結果が出りゃぁの話だす。
道路もオーバーフローする水の流れる筋となる。
もう何年も雨の増水を狙っての釣りっていうのを意識していなかった。そればっかり狙っていた時期は、逆に降ってすぐの釣りにならない度(なんていう指標があるかは知らないが)も結構な精度で察知して、その日の行く行かないのジャッジもシビアに出来ていた。

今回はそれを見誤ったと言うしかない。そういう、増水時の勘が鈍っていたのかも知れない。
こんな天気でもただ、従順にご主人様の帰りを待つ。
ただ、こうも言える。たとえ過去のデータがそろっていたとしても、それが絶対ではない。最後の最後は行ってみないとわからないっていうところは、ある。
街と山との降水量は当然違おうし、山にしたところで、峰ひとつ向こうとこちらとで全然変わってしまう事もある。アメダスの観測地点の情報だけでは計り知れない。

結果的にこの日はサカナの顔を見れなかった。川辺に居た時間も2時間弱ではあった。こんな日もあるかな・・。
車のラゲッジスペースはぐちゃぐちゃのびしょ濡れ。やだやだ。
部屋に居て(やっぱり行きゃぁ良かったかな・・)って後悔するよりは行った方がスッキリする。たとえ高速代と燃料代を無駄に使う事になったとしても。
ただ、お金が無駄かどうかはあくまで結果論で、出掛ける時点ではどうなるかはわかっていないのだ。
もし尺クラスのサカナが釣れたりしたら、それはもう高速代がどうのこうのって考えは頭にかすりもしないだろう。
そしてその可能性はゼロではないはずだ(多分・・・ね)。

台風の進路を追っかけるように北上したのだが、どうも距離(と時間)を詰めすぎたらしい。付かず離れずの絶妙の間合いを読むのも釣り師のウデですかね(?)
ハラ減った。ヤメヤメ、帰ろ。