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降ってきたら帰ろう、っていうつもりで出掛けた。川も近場で、まあそれなりに釣れるところだ。
何日か続く雨に気持ち増水気味は、この時期のベスト水位だった。
(なんだ、今日は当たりか?)と意外な状況に慌てて支度をする。
ろくにフライも巻いてこなかったしリーダーも前回のままでティペットだけ継ぎ足した。しかし、えてしてこんな時にイイ釣りをする。
・・・、と思ったら雨が落ち出した。 |
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おっ、うまそーなパラシュートが浮いてるゾ!
(ってそりゃバレバレじゃん!!) |
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入渓した場所で三匹出た。
不思議なもので、たいていその日川に降りた最初の場所で釣れたりする。
四匹目を空振りしたあたりから雨足が強くなってきた。
木の下に入り様子を見ていると、雨の絨毯爆撃が始まった。
川に入ってものの20分だ。もう終わりか? は、早や・・・。
この雨量が続くようなら危険なので、道まで上がろうとした時、ピタッと雨が止んだ。なんなんだ? |
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水多め、雨しとしと、一歩づつしっかりと。 |
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それならとまたロッドを振ってみるが、まるで上空の不安定な気象を川の中の魚たちも察しているかのように、反応が無くなってしまった。
少なくとも空の分厚い雲とその流れる速度は、気分爽快で釣りをするような状況ではないような気もする。
解禁からの連続釣行。川も渓魚も釣り人もくたびれてきたこの時期に、ワンクッションの梅雨。
しかし、ちょっとの合間を狙うのも梅雨時期の釣りとしては「アリ」なのだが。 |
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雨に煙る渓。こんな時渓魚たちはなにをしているンだろう? |
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レインウェアは完全防水ではない。もとより着方がそうではないのだ。
ベストのポケットを探らないといけないから前のファスナーは止めていない。視界が狭まるのがいやだからフードはかぶったり外したりだ。
じわじわと内部に浸入する雨は、それからの数十分で僕の服をずしりと重くしてくれやがった。やはり雨の中の釣りは不快なことこの上ない。
・・・、いつの間にか最初の「降ってきたら帰ろう」の心積もりはどこかへ消えてしまっていた。 |
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雨の影響も水面まで。水ン中は水に変わりはないです。 |
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ふと陽が射してくると、イキモノの気配が一気に湧き上がるようで・・。 |
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この日の水位と今降る雨を考えると、あと三日後くらいが一番イイ感じになりそうだ。
ついこの前まで、夏の前の夏日に人も魚もだれてしまっていた。ひと雨欲しいのは釣り人共通の思いであるだけでなく、魚にしても満場一致のはずだ。
しかしひと雨降れば即、という訳にはいかない。増水→川のリセット→やや減水 の構図が完了してようやく釣り人の出番となるのだ。
この日は梅雨の方程式のミドルセクションに当たり、どうにも歯車が噛み合わない。 |
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雨足は強まったり弱まったりを繰り返し、妙に懐疑心を持ったヤマメはフライに出ても掛からない。
沈めたほうがいいか? でもそれもなんか億劫で、結んだままのフライを投げ続けた。
少し流れに濁りが入ってきたことに、少し前から気がついていた。
そして相変わらず捕食の下手なヤマメはフライをつっつく。でもそれは、今は降雨の時だから退きなさいな、って言っているように思えた。
また、水が引いて天気のいい日に相手してやるから・・・と。 |
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「こんな時まで釣りに来んなよ。」って言われてしまいました(>_<) |
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それでも僕はロッドを振るのを止めなかった。雨は止み間が短くなってきていて、水面のドライフライも見えない。
多分これ以上ヤマメは釣れないだろう。まだ昼過ぎなのに空もどんよりと分厚い雲に覆われ、辺りはかなり薄暗い。
ヤマメだけでなく、空も川も「今日は釣りをする日ではないのだ」と言っている。
一度フライを追って大きな魚体が水面でうねった。
ロッドをあおりそうになるのを必死でこらえた。流し切り、もう一度キャスト。
同じレーンを同じようにフライは流れた。少し離れたところから魚影が走ってくるのが見えたのとほぼ同時に、僕はロッドをあおってしまった。
フライのない水面を大きくヤマメが割って出た。
土砂降りになった。 |
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み、道が川、空が夜。
体が冷えた。今夜は鍋じゃっ! |
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