蛍光ブルーと赤茶色のツートンが目に飛び込んできた。
カワセミだ。なんとも鮮やかなブルーは水辺でやたら目立つ。慌ててデジカメを取り出すが、コンパクトのズームくらいじゃムリムリ。
さっさと上流へ飛び去って行かれました。
水位の落ち着いた流れは、ハッチもライズも見えなくても期待十分だった。ほぼ解禁からひと月の間、増水が続いていただけに、この水位はやる気が出る。
カワセミの祝福(?)も受けたしね。
ようやく春の訪れを感じる山里。
山桜もコブシも咲いてます。
六週連続晴れの土曜日、ちらほらと桜も咲いていた。市内はほぼ満開だが、このあたりはこれからつぼみが開き始める木も多い。
ゆったりとした流れに向かい、パラシュートを投げていく。まだ虫は翔んでいない。きっと昼前後になれば翔び始めるだろう。
時折小さなアタックがある。ハヤっぽい。合わせないでおくと、フライをくわえきれずに吐き出して、フライはまた水面に浮く。
雑魚とヤマメの混生の流域だけにポイントを見誤るとフライのリフレッシュの回数ばかりが増えることになる。
石をひっくり返してニンフを探します。
あんまりおらんなあ。
低い堰堤をいくつか越えて、フラットな流れに出た。
しばらく水面を見ていたがライズはまだない。でもこの流れでヤマメがいないとは考えられない。
流れの筋と水深を見ながら王道的ポイントにキャスト。
一発で出た。すぐにサイズがわかる。小さなヤマメは寄せて手を添えただけでフックが外れた。
それっきりそのフラットでは釣れなかった。こんなポイントでもひと月の間にヤマメの絶対数が減ってしまったか。
次の堰堤上を目指した。
流れに活気を感じることがあります。
この日がまさにそうです。
去年かおととしくらいに河川工事をした区間に出た。掘り返された直後ではないので、それなりに川底の感じも馴染んでいるようには見える。
果たしてヤマメは居着いているかどうか?
目ぼしいポイントを流すと、フライをハヤがついばんでくる。一番良いポイントでないとダメだな。本命ポイントにキャストすると白い魚体がスルッとフライを隠した。
これは紛れもないヤマメ。解禁の頃に釣ったのと同じくらいのサイズだ。この場所にもなんとかヤマメが定着しているようだ。
解禁からひと月を生き抜いたヤマメ様。
ご苦労さまでした(^_^;
工事区間は長い。
更に上流へ進むと二筋の流れの合流点に出た。ヤマメポイントだ。
複雑にうねるそのただ中へフライを投じると一発で出た。
引きが重い。すぐにちょっとヤマメっぽくないとわかった。
寄せると丸々太ったオイカワだ。この日一番のサイズだが。
ヤマメポイントで堂々と定位するオイカワ。工事区間が微妙に水中の勢力図を書き換えてしまったようだ。
その先、小さなプールでライズが見えた。魚体が水面を割って出た。
開けた川にライズリング。
フライフィッシングの理想だなあ。
強烈なコイ科独特の存在感のオイカワ様。
春を知らせるツバメの群飛。僕をかすめるように飛んでいく。
赤い体色が残像で残った。オイカワだ。オイカワのライズだ。
投げるとやっぱりオイカワが釣れた。さっきのよりまだでかいみたいだった。
おのれ、こんなにテリトリーを広げてきているとは。
その先の小堰堤でまたオイカワが釣れた。まるでこいつしかいなくなったみたいだ。
こうも予定外の魚が掛かると、だんだん意欲が萎えてくる。次のポイントもオイカワが出るのだろうと半分は思い始めている。
ヤマメへの遠い道のり。
遠いほど、車への戻りも遠くなる(^_^;
ツバメが飛び交う流れ。
僕の体のすぐ脇を飛び去る中でキャスト。フライがツバメに掛からないだろうな?
すぐに一匹出たが、小さい。ちびオイカワだろうと思っていたらちびヤマメだった。
その先にまた投げるとバサッと魚が覆い被さった。オイカワか?と頭をよぎったがすぐ合わせた。
「!」
ラインが宙を舞う。合わせ切れだ。水中をもがく魚体が大きくぎらりと光った。あれは・・・ヤマメ?
また僕の横をツバメがかすめ飛んでいった。
春のヤマメはどこかいな?
桜には目がいきません(-_^;)