其の二百  使いたいフライを巻く
以前 Coq De Leon のルースターサドルを使い出した事を書いたけど、あれからあれよあれよと言う間に二年以上が経ってしまった。
その間にCoq De Leon を使ったフライを量産できたかというと、もちろんできていない。先月ちょっと巻いたくらいか。
まあタイイングそのものがのんびりペースだから、巻く時の候補に入れるところまでがなかなかいかないんだなあ。
でもやっぱり巻こう、と思い立った。理由はいろいろあるが、まず巻いてみた。
どうせ釣るならっていうのがあるからなあ。
二年前にも思ったが Coq De Leon は一本のフライにたっぷり使って巻くマテリアルではないように思う。
要になるところにワンポイントで使うのが好ましい。
まあテールにウィング、ハックルの一部にレグなど・・・。思いつくのはそれくらいなのだが、まずはやっぱりどうしてもウィングに使いたい。
フロントハックルのカディスパターンでウィングに使って巻いてみる。Coq De Leon はスレッドで強く絞ってもフレアする事がないから、かなりコンパクトなウィングに仕上がる(巻き留め部は太くなりやすいが)。
水面で羽をばたつかせているイメージはないかもしれないが、羽をたたんだままのカディスやストーンフライとしては上質に羽を現しているように思える。
ただカディスやストーンフライって、大人しく羽をたたんだまま流下したりするのかなあ。
それならと羽を広げたパターン。ここ最近スペントはCDCでしか巻いていない。効果も期待通りだし不満はない。
それはほかのパターンでも言える事ではある。わざわざ Coq De Leon を使う必要はない。
それでもこれを使って巻こうとおもうのは、このマテリアルが気に入っているからだろうなあ。
気に入った色、気に入ったマテリアル。それはマッチザハッチとか釣れるパターンとかとちょっとずれた理由になってしまうが、逆にそれで釣れないということもないだろう。
Coq De Leonのスペントパターン。これで釣りたいっていう一本。
現場でフライボックスをあけて手が伸びるのは、ライズにマッチさせる場合は今はこれじゃないかという捕食物に似たパターンか、ライズがない場合はこれなら食うだろうという無難なパターンか。
まずは魚を手にしなければと言う気持ちが先に立つから、パターンで冒険はしない。安全に安全に。
ここでそうじゃなく、自分がこのフライを使いたいっていう一本をチョイスする、っていうのもあるかなあと思い始めた。
ライズのない場合の無難パターンは、過去の経験から選ぶ事が多い。そんなフライも嫌いじゃないんだけど、ここでこれを使って釣りたいっていうフライがあって、それで釣れたらそれはそれで面白い。
釣れる要素と人の好みに因果があるとは思いにくく、人目線の「釣れそう」は魚には関係ない。
しかしそれでも釣れるっていうことになればそのフライの株は一気に上がる。使いたいフライの筆頭だ。
もはやまた二年間ほっとくことにはならないだろう。僕は Coq De Leon のファイバーをむしり始めた。