其の二百二十四  春にきらめくフライ
さて、いつの間にやら解禁まで もう2週間ちょっとになっている。
いくらなんでもそろそろ川用のフライを巻き始めないといけない。フライボックスはかなりスカスカ状態だ。
解禁前はやっぱりニンフを巻いてしまう。ドライで釣れればドライを使うのだが、ニンフを巻きそして使うのはシーズン初めの儀式みたいなものだ。
それに海でメバルを釣っているとだんだん水面下のフライが当たり前という感覚になってくる。
その延長で川へ行くならまずは水面下で釣りたいという思いもある。
このウィングパッドがヤマメを誘うか?
以前よく巻いて使っていたビーズヘッドのニンフは、ヤマメが見切ってスレる前に人間の方が飽きてしまった。
だから去年はオーソドックスなヘアーズイヤーやフェザントテールを巻いていた。
今年もそのつもりで巻こうと思ったが、同じオーソドックスなフライもちょっと退屈なのでなにか変化をつけてみようと思った。
そうなると光を利用したものが思いつく。ウィングパッドがきらめくパターンはいくつかあるが、やはりそこを工夫してみたくなった。
フェザントテールにもアクセントを。
羽化直前のニンフが水面に浮上しながらウィングパッドをふくらませ割れてそこから気泡と翅が出てくる。
なんて場面は見た事ないのだが、どうもそういうふうにして羽化していくらしい。
解禁後の川でハッチがなかったとしても、ウィングパッドのきらめきがヤマメの記憶を呼び覚まし、捕食のきっかけになるのではないか? そううまくいけばなあ。
まだ春浅い川は気温も低い。そんな時に陽射しが出ると釣り人もヤマメも元気になる気がする。その光を浴びてきらめくニンフでヤマメが釣れたなら、今年の釣りも幸先がいい。
この日は六本巻きました。まだ足りないかー。
以前にUVノットシーラーをウィングパッドに塗ってニンフを巻いたことがあったが、UVノットシーラーは完全にかちかちにならずちょっとべたべたが残る。それを触るとウィングパッド部がくもってきて透明感もなくなってしまう。
そこで今回は海フライで使っていた瞬間接着剤とその硬化促進剤を塗ってみることにした。
下には先にフラッシャブーなどの光を反射するマテリアルを敷いておく。これで瞬間接着剤がレンズの役割をしてきらきらきらめく効果が強くなればという目論みだ。
瞬時に硬化するし硬化したらかちかちになり透明感も損なわれたりしない。小さいサイズのフライでも塗布が簡単だからこちらの方が実用性が高い。