其の八十五  ニンフ、一閃
毎年恒例の(恒例か?)ニンフネタでございます。
ちょうど一年前にもニンフのハナシをアップしました。
どうやら解禁前になると、ニンフをイメージするのが習慣になってしまったようで。

確かに解禁直後のまだ水が冷たい季節は、ニンフで水中を攻めるのが効果大、だと思い込んでいるフシがありまする。
それはまあ、当たっているところも外れているところもあるかなー・・・、ってところでしょうか。
(ナンカ、占いみたいだなや)
しまい込んでいたUVノットシーラーでウィングケースを・・。使ったのは二度目(!?)
今回は永遠のテーマ、ニンフの沈みにくさは置いといて、ノーウェイトのニンフを巻いてみました。
より活用範囲を多く見定めての一本のつもりですが、久々のタイイングでもありますから、スロースタートでございます。
ナチュラルのファーを使うと細かい毛が舞うので、今回はシンセティックのダビング材を使いました。これはこれで結構イイ塩梅で、色のバリエーションもたくさんあり私が見る分には十分な出来映えではありますが、魚の目による評価はいかほどなことやら。
この日巻いたものはウィングケースに凝ってみました。
UVノットシーラーを使ったり、ウレタンのフォームを使ったりしてみました。キーとなるのは、「羽化直前のウィングが出らんとするそのボリューム感」です。
ダビング材は T社のニンフタブ です。いろんな水生昆虫のニンフやピューパの色が用意されていて、色で困る事はなさそうです。
ボディの巻き上がりも満足のいくもので、ナチュラル素材と比べてもなんの遜色もありません。
ダビングの下手な私でもなんとか縒り縒りして、くるくる巻き付けることが出来ました。
ノーウェイトのニンフがいくらか充実してきて、ますます解禁直後の川での釣りのイメージが固まってきました。
T社のニンフタブは扱いやすく、水の馴染みもいいようだ。
水面下で流れに身を任せて漂うニンフを想像してみましょう。
複雑にウネル水流に流され、予測不能の動きにヤマメたちはついて行けるでしょうか?
いやいや、それは余計な心配でしょうね。 ただ流されるだけのニンフに対してヤマメは自らのヒレで自由自在に泳げるのだから。
やっぱり養魚場育ちの野生をなめちゃぁいけません。彼らとて、水の中で泳ぐことに関しては立派なアスリートなのです。
見た目に派手で興奮度満点のドライフライの釣りは、きっと私が釣りを出来なくなる時が来る、その日まで続けていくことでしょう。
かたや、ニンフやイマージャーの釣りも捨てがたい魅力を備えています。
直接目では見えない分、水面下のニンフやそれを狙うヤマメのことを、持てる全てを総動員して想像します。
ニンフの釣りには、見えない分それで釣る達成感がより濃く深く残るのです。
ひとシーズンに数えるほどしか出番のない役者であっても、だからこそ。
ラスティのアブドメンにウレタンフォームのウィングケース。必須の一本。