その6  タイイングマテリアル開拓!?
各フライ用品メーカーが毎年恒例のフィッシングフェスタあたりをにらんで、新商品を送り込んでくるのを我々「カタログだらだらながめ族」は首を長くして待っている(ん?我々? みんなそうだよね!?)。
とは言えそうそう全く今までなかった物が出てくる事は考えにくい。タイイングマテリアルなどはまさにそれで、たいていの素材は出尽くした感がある。そして奇をてらったような奇抜なマテリアルが売り出されたとしても、一旦は目を引くが長く使われているかと言うとどうもそうではないようだ。やはり定番として使われ続けるマテリアルはそうである理由がそれぞれにあってこその「定番」な訳で、その結果今に残り、使い続けられているのはタイヤーの皆さんも周知の事実だろう。
更にはその定番マテリアルだけではタイイングに支障が出るとかいう状況もなさそうだ。ある程度の名の知れたマテリアルを揃えていれば、たいていのパターンを巻くのに問題はないはず。
でわ! 消耗した分を買い足すのみでそれ以外のマテリアルの補充は不必要なのか? 否!そうではないはず。
ひとつにはイマジネーションの問題がある。タイヤーの数だけあるフライパターンの更に先を突き詰めるために日々頭を巡らす(?)うちに、行き詰まってしまうことは誰も経験がおありでしょう。結局はスタンダードパターンに戻って行くのも然り。でもそれだけじゃぁ面白くないし、マンネリが過ぎるとタイイングデスクから遠ざかることにもなりかねない。
そんなときちょっと目先を変えた新製品が出たらすぐ飛びついちゃう(よね?)。先述した奇をてらったものと定番のものとの間をとったようなものなら言うこと無し。目新しくて長く使えるって感じの。タイイング意欲の活性化を促進させ、新しいパターンの発想へのトリガーにもなりうる。
しかし、メーカーもなかなか新製品を出してこない時、ならば自分で開拓っていうのもごくごく自然な流れ(?)でしょう。
我が城、じゃない、
雑多なマテリアル棚です。
今回ご紹介するのは去年のオフシーズンに見つけたマテリアルです。
ホームセンターでクラフトテープを探していた時に目にとまったカッパーカラー。それは銅箔のテープで雨どいの補修などに使うものだった。これを見つけた時にピンときました。フェザントテイルが好きで良くタイイングに使うんだけど、フェザントテイルニンフを巻く時リブにカッパーワイヤーを使うと妙に自然素材とワイヤーがしっくり馴染むような感じの不思議さを気に入っている。このテープはカッパーワイヤーの色や質感をボディ側に取り入れる事を可能にしてくれた。
980円は少々お高いですが、きっとひ孫の代まででも使いきれない(?)
その銅箔のテープで巻いたのが左のニンフ。
「メタルジャケット」と名付けたが、まさにメタルなボディ材をまとったフライにしてみた。スムーズな沈下と水中でのキラメキなんぞをイメージしたのだが、果たしてこのフライでの釣果はというと、ゴギばかりを3匹釣った。まず、釣れない事はなかったです。通常のフェザントテイルとのアピール力の差はあるのかどうか? 
ただまあ、ホームセンターで見つけたものをその場のイマジネーションでタイイングマテリアルとして使ってみて、ちゃんと魚が釣れたんだからこれはこれでよしとした。
もちろん、釣り具屋で買うのとはの異なるマテリアルの入手が新たなパターンを考えさせたり、タイイング意欲を刺激したのは言うまでもない。
リブには逆にフェザントテイルを。でもすぐ切れる(笑)。