其ノ二百四十七  釣りと火器(3)
前回M川氏とのキャスティング練習会でそのストーブを使ってみた。
何人か人が集まる時に火を点けたり消したりするのには、ガスのストーブのものだろう。
プレヒートの必要なガソリンストーブだと、点けたり消したりはちょっとためらわれる。
ガスならつまみを回して圧電点火装置のトリガーを押すだけ。
消してもまた同じやり方ですぐに点く。
僕はガスのストーブがあまりに簡単に使えることにちょっと違和感さえ感じた。
さて、この火はどんなもんかいな?
ずらりと並べてなにをしようと言うのか。
寒くなってくると暖かいものが恋しくなる。暖かいものと言えば火だ(短絡(^_^;))
急に外でコンロを使って湯でも沸かしてみたくなってきた。
でも僕の手持ちには壊れた、あるいは壊れかけた液体燃料のストーブしかない。
もっと簡単に使えるものなら、解禁になってからも釣りに持って行って昼食になにかする気になるかもしれないと思った。
となると、ガス。僕は初めてガスのストーブを使ってみる事にした(あ、カセットコンロ以外で)。
出前一丁、ようやく食す。塩分は控えよ。
しかし写真とストーブは所詮目的が違う。写真はそのものが目的だが、釣りにおけるストーブは昼食やコーヒーのための道具だ。
そこでは燃料の好みよりも手間の少なさの方が優先させられる。
釣りの合間にストーブを使う事がストレスになってはつまらない。
ガスのストーブが使っていて面白くないという訳ではないので、まずは今年の釣りにどこまで使うかやってみよう。
時間があるときなら液体燃料のストーブも使えばいいのだし。
あとは使う気分的余裕を釣果で出す事だ。
液体とガスの違いはフィルムで写真を撮るのとデジタルとの違いに少し似ていると思った。プロセスに手間のかかる写真とレスポンスのいい写真。前者はその過程が写真に集束する。後者は手軽な分重みがない気がしてしまう。
フィルムは味わいがあるがデジタルはそのあたりがずいぶんないように思っていた。だからと言ってデジタルを否定するつもりはなく、それぞれの使い道という棲み分けを考えていた。
なかなかデジタルをフィルムに置き換わるものとして捉えるのにはまだ抵抗があるが、どうやら僕はそのような関係を液体とガスにも重ね合わせて見ているようだ。
コーヒードームが、できん・・。
さて、今年は出撃回数が増えるか?
以前使っていた MSRオプティマス8Rハンター とは火を扱う感覚がずいぶんと違う。それは火を点けるまでのプロセスが全く違っているからだ。
MSRは点火の前にポンピングが必要だ。ポンピングで加圧してボトルの燃料を少しだけ出してそれに点火してプレヒートする。オプティマスはプレヒートのみだがそのための固形燃料が必要だ。
そういうことが一切必要ないガスのストーブから出てくる火は、なんだかちょっと物足りないと言うか安易な感じもする。
火に安易も複雑もないがやっぱり点火までのプロセスの違いがそんな印象を抱く理由のように思う。ガスが燃えているか、液体燃料が燃えているかという違いも、目には見えないけれどあるような気がする。