其ノ二百五十七  新マテリアルで巻く
久々に巻いたスペントパターン。出番があるかー?
とうとうまともな魚を釣らないうちに三月が終わってしまった。
今年もなかなかに手強いわい。
それはそれとして、フライを増強することにした。今年は例年になくタイイングに力が入る。

先日ネットで新しいマテリアルの発売を知り、注文してみた。
インセクトファイバーというこの マテリアルは、細い獣毛をブレンドしたウィング材ということだ。
これはちょっと巻いてみるか、という気になった。
インセクトファイバー、その効果は?
ファイバーを束ねた製品はたくさんある。
僕もいろんな種類のものを過去に買ったが、最近はTMCのエアロドライウィングに落ち着いていた。
でもエアロドライウィングはほとんどがパラシュートのポストに使うのみになっていて、ウィングとしては使っていなかった。
じゃあウィングには何を使っていたかと言うと、CDCかエルクヘア、考えてみるとそれくらい? なんだかそんなものだったんかなあと改めてびっくり。
新しいウィング材ということになれば、バリエーションが増えそうだ。
インセクトファイバーはファイバーが細いので、ポリプロピレ繊維とかの従来の製品に比べたら、柔軟でしなやかな感じがして、巻きやすいし巻きとめた感じもなかなかいい。
どれだけの量を巻きとめるか、やはりどんなマテリアルにも言えるが多すぎては逆効果な気がする。
まずは控えめの量でダンを巻いてみた。こうやって巻いてみるとこのファイバーはCDCの代用品という位置づけの材料という感じだ。
まだ実釣で使っていないがたぶん浮力ではCDCが勝つだろうけど、インセクトファイバーのフライは使いつづけても状態がCDCほどには変わらないと思われる。堅牢性でもCDCよりは上だろう。
ダンもなかなかいい感じ。プールなら浮力も視認性も良さそう。
シンセティックにありがちな人工的っぽさというか、硬質な作り物感はこのマテリアルにはあまり感じられない。
どちらかと言うとエルクのスキンやヘアーズマスクに生えているアンダーファーに近い印象だ。
あまりに人工的な部分があると(魚に見破られるかも)と心配が頭から離れなくなったりする。
それが少ない分、フライへの信頼度が上がって自信を持ってキャストできる。
こういうことも釣りには大事だという気がする。
気に入ったマテリアルを使って巻いたフライで釣りに行く。
なんか当たり前のことのようだが「気に入った」というところがなかなかありそうでなかった事だったかもしれない。
このインセクトファイバーは、ちょっと目新しいから使ってみて、でもそのうち飽きちゃう、という今までにありがちなパターンとは違う雰囲気がある。

少しづつ、このマテリアルを使ったフライが、ボックスの中に増えていきそうだ。
ダメージを負ったスピナーを演出。どうかなー?σ(^_^;)