その33 河川敷に集いし者達、竿を振る 
10月中旬の日曜日、三々五々某河川敷に集まる輩がいた。河川敷にはタープが設営されていて、その下にはなにやら釣り竿とリールが並べられている。
そして、徐々に河川敷に車が降りてきては、タープの下に集まってくる。さて彼らの週末にこの集まりはどんなことをもたらすのだろうか?
ずらりと並ぶロッドにネット。誘惑の足音がひたひたと迫ってくる!?
某ロッドメーカーとバンブーロッドビルダーのM川氏との共同ロッド試投会がこの日のイベントの正体で、穏やかな日和も相まって気持ちの良い外の空気を吸いにオフシーズンの釣り師達が集まってきた。
テーブルの上にバンブーロッドが、スタンドにはグラファイトロッドがずらりと並ぶ。やはり壮観な眺めで、まずはみんな獲物を狙うショッピングハンターのごとく、物色を始める。
これはいつものキャンプの情景となんも変わらん?
ホントはこういうのがこの日の目的のはずなんだけどね。 河川敷で過ごす時間は川の流れの速度に似ている。
久しぶりに顔を会わす面々同士の語らいも一段落した頃から、ひとりふたりと竿を振りだした。バンブーロッドを手に取るもの、グラファイトを取るもの、ダブルハンドを取るものと、それぞれに嗜好の違いが出ているようで、明らかに遠投を意識していたりショートレンジでのコントロールを試してみていたりと、これもまた人それぞれの視点が外からでも垣間見えて面白い。
ことのほかバンブーロッドにご執心のN氏。
さて、この日単に釣り竿を振りに訪れた人もいれば、話に興ずるばかりの人もいて、でもそれだけではなく、一大決心をした上で覚悟してきた人もいる。
そしてその決心を見事成就させた幾人かの人達は夢うつつのアタマが飽和状態のまま帰って行った。きっと当分はまだ手にできないロッドを想像の中で振り回すことだろう。いくら振っても想像の中ではグリップのコルクも汚れず新品のままだ。
覚悟は出来ましたか? 山K氏??