その34 ゴミを入れたくなるゴミ入れ 
ちょうどこの釣りを始めた頃、それは釣りざおやリールに限らず、この釣りに関するありとあらゆる小物類に至まで、とにかく「これはいいっ」って思ったら手当たり次第に手に入れていた。
ただ、それらの道具達を現在でもそのままずっと使っているのかというとYesでありNoである。
やはり実際に使ってみたうえで、徐々にふるいにかけられて、眼鏡にかなったものだけを使い続けることになる。
最初に買ったT社のディスポパック。
そのひとつにT社のゴミ袋がある。釣りを始めた当初はゴミ入れは持って行っていなかった。だがこのゴミ袋が発売されるとすぐ購入した。どこにでも止められるし邪魔になるわけでもない。あれば確かにティペットの切りくずですら入れようとするものだ。
取り立ててゴミ入れにあれこれ機能を求める程の事もなく、そのままそのゴミ袋を使い続けてきた。もうかなりぼろぼろだがこうなると逆に手放せない。そんな小物のひとつやふたつは誰でも持っているだろう。
ただ、このゴミ袋も使用済みの長いティペットやリーダーを入れるには不向きだった。どうしても入り口から出てきてしまうのだ。
そこで使い終わったリーダーやティペットを巻き取るためのいくつかの既存の製品をまねてマジックテープを使って作ってみた。ケースの中はインジケーター入れにしていた。
しかし、最初のうちは使っていたこの巻き取り専用ケースも次第に出番が少なくなっていった。
使用済みのリーダーやティペットを巻き取るのには全く問題ない。
ベストのポケットに入れていたから出すのが面倒で結局T社のゴミ袋に使用済みティペットを押し込めた。で、そのゴミ袋の口からだらしなくティペットがはみ出したりしていた。
釣りをしているときはまずは釣りで、わかってはいてもなかなかその状態を改善しようというところまでいかない。巻き取り専用ケースは機能的には問題なくてもなにか使うためのモチベーションが上がらなかったのだ。
ふと釣具やでこんな製品を見つけた。すでに何年か前に出ていたものだが、全く私の専用ケースと同じコンセプトでわないか(いや、私のケースこそ既存の製品のまねだったっけ)。
しかし、アルミの質感もふたの開閉もいい感じだし、なによりお金を出して買ったということが「使わなきゃ」という目的意識を高揚させた。
動機は不純だがそんな動機があってもいい。
来年はT社のゴミ袋から釣り糸がはみ出すことはなくなりそうだ。
T社のティペットディスポーザー。名前からしてその気になります。