其の七十四  手に馴染む スクエアな小物たち
四角いカタチは昨今の生活の基本形だろうか。部屋を見渡しても、確かに四角いカタチのモノが一番多い。
本を筆頭に、CDケース(中身は丸だが)やテレビ・冷蔵庫・洗たく機・パソコン・テーブル・カメラ・・などなど・・。
部屋そのものだって平面図は四角なのだ。
焼酎の瓶は円柱だが、最近は紙パックのヤツだから、これも四角。
釣りで言うと、フライボックスが四角だ。特にこいつは釣り場で手にする機会も多い。多いからこそなのか、そのサイズは手にしっくり馴染むものだ。
本が四角なのは、まあ 当たり前か。
手に馴染むというのはすごく大事な事だと思う。それだけで、そのものの中身の機能の善し悪しさえ決まってしまうような。
フライボックスにしてもなんにしても、手に持った時にイイ感じのものは、その使い勝手もおしなべて、良い。
縦横のサイズ・厚み・素材、そんな個々の要素がほどよいバランスで組み合わされていると、その集合体は良くない訳がない。
ただ、なかなかそういう良いものには出会えないのも事実だが。
私の財布と仕事用のバインダー。これはソフト系の四角。
私が仕事で使うバインダーは、一見そうとは見えない。金融関係の仕事をしている人が持つセカンドバッグみたいな(これ、偏見?)感じだ。しかしファスナーを開けると、中には事務っぽいミニオフィスが収まっているという具合だ。
素材は一時期人気を博した、フライトジャケット(MA-1 とかとも言ったっけ)の素材、ナイロンサテンを使っている。柔らかくて、手にしっくりくる。
秀逸なスクエア道具はその素材からして、やっぱりいい。

四角いカタチはいろんななモノの基本になっているようだが、その中身や用途は様々で、だから大きさもまちまちではある。しかし、私の財布やバインダーは、多用するフライボックスに近い大きさになっている。
中にお札を入れようがバインダーのノートやぺンを入れようが、それこそ毛鉤を入れようが、これらのモノたちはその収納の具合を考えて大きさが決められたようではなさそうだ。
手に持つ感触が、「しっくり馴染む」から始まっているように思える。
それからその大きさの範囲で、それぞれの目的に合わせた中身の設計に入った・・。そんな感じかな。
ま、この大きさが、私の好みに合致しているのが、しっくり来る一番の理由なんだろうけどね。
良く使うフライボックスは、どうしてもこの大きさ。