其の八十二 雪の向こうの解禁
十二月としては観測史上最高の積雪を記録したこの週末。
山へ出掛けようにも高速は通行止めになっている。そんなにスゴイの?

で、仕方なく部屋で外の雪なぞを眺めたりしているのだが。
いつもの年なら雪が降るとそろそろ解禁が近いっていうイメージが強い。だいたい一月、二月によく降るからだ。
それが今年は少し早い。まだ正月を迎える前だが、それでも雪を見ると血が騒ぐ(!?)
雪に煙る街。山はすごい事になっとるよなー。
釣りシーズンが始まってから雪が降ることもよくあるが、その前に降るのは全く普通の状況で、だから雪が降ると解禁を思い浮かべてしまう。
山は春の柔らかな色合いから新緑の初夏、そしてコントラストの強い夏へと、色の印象も変化していく。
そんな中で、白い雪はかなり特殊な印象が残っている。
それは山でももちろんだが、街中でもそうなのだ。普段と全く違う色におおわれた様子が目に焼き付くと、その後に必ず解禁が来る。その順番は変わる事はない。
近所の竹林も雪化粧・・、なんてなまやさしいものじゃないな。
逃げようとした格好のまま凍りついた? ような姿の木。 雪に混じって落ち葉も落ちてくる。秋と冬の混在。
だから雪→解禁という単純図式で気持ちだけが先走りする。
実はまだもう2ヶ月半あるのにね。
でもそれもあっという間。気がついたらもう「2006年の遊漁券入荷しました」、なんて案内が釣具屋から来たりする。
積雪は、地域の生活には影響があって、大変な事だが、ちゃんと降らないといろいろまずい事もある。山や川だって冬には当たり前に雪は降るべきだ。
ひと降りごとに、来年良い釣りが出来ますようにと、勝手に祈っています。
気がつくと日が差してきていた。
なんとも早い天気の変わりようだが、まだ油断はできまい。

外を歩く。
風は身を切るように冷たいが、空は気持ち良く晴れていた。
ほんの近所の街中の川もきれいに雪化粧して、いつもの荒れた川辺ではなくなっている。まさかこんな川でと思うのだが、雪で装飾されると、ヤマメくらい釣れそうな気がしてくる。
この景色はまさにシーズン初期の川辺となんら変わりはない。

やはり雪でおおわれたこの白さが、解禁直後の記憶を呼び起こしているようだ。
こんな場所でフライロッドを振るのは、ちょっと気恥ずかしいですな。