その20 釣りにおける写真の役割とその遍歴(3)
日ごとに夜明けは早くなり、宵はゆるむ空気に急き立てられて妙に落ち着かない。いよいよ解禁まで秒読み段階です。釣り道具やら毛ばりやらと買い足すものや巻き足すもので慌ただしいのがこの時期の常だけど、釣り道具だけでなく、写真機の出番もこのあたりからぼちぼち増えるのであります。
オフシーズンはちょこちょこカメラを持って出掛けるのだけど、なかなかテンションの上がる被写体と巡り合うことが出来ずに不完全燃焼で終わる事が多い。そういうことなら釣りに行ってシャッターを切るのだったら間違いない。
久々のフォーカルプレーンの感触は・・?
フィルムカメラにしろデジカメにしろ釣りシーズンの写真はかなりの量がストックされる。去年からホームページを作り出したから、それ用の写真も意識して撮る分、それ以前の時よりもシャッターを押す回数は増えている。まあデジカメだから遠慮なくっていうのももちろんあるが、よっぽどかっこよく撮れた魚の写真とかを除けば、いくらたくさん撮ってもなかなか時期を過ぎると再登場する機会は少ない。
釣行時間が6時間だとして、そのうち何%ロッドを振って何%カメラを構えているか? 人それぞれに差はあるだろうけど、自分の場合は10%くらいはいってるんじゃないだろうか? その中でプリントしたりホームページに載せたりするのが更に10%くらいだろうか。
そういう写真が撮れる全体から見た割合は、シャッターを切るのをフライのプレゼンテーションにたとえるなら、プレゼンの回数と釣れる魚の数の比率に似ている。
まあ、撮る写真撮る写真みんな「おおっ」って出来ならかえって食傷気味になるかも知れないし、魚もあんまりいい型が釣れすぎたらありがたみが薄れちゃいそうだし(んっ、それ本音?)
2年分の釣りの画像データは1.5GBになりました。
写真も魚もヒット率の多い少ないは狙いもあれば偶然もありで、それが面白さのひとつでもあるのだろう。だけど、もうちょっと率が高くてもいいんでないかい? って切に願う毎週末の高速上の車中なのだが、一発大物が釣れたり絶好のシャッターチャンスを物に出来たらそんな率のことなんか吹っ飛んじゃうのも確か。
そして良型を手にした時とその魚をファインダーに捉えてシャッターを切った時の喜びは、手の中の感触として、またハードディスクの中の画像データとして、しっかり残る。
こうやってみると釣りとその時の写真の撮影は幾多の喜びと悲しみ(?)を共にしつつシーズンを過ごしてきたんだなぁって、今さらながら再認識しました。
幾年月の季節を巡りながら、釣りと写真好きのあくなき探求者は失敗と成功の連続で、きっと今シーズンもそれを繰り返す。それでも10%の中の10%を目指し、至福の一匹、一枚を求めて試行錯誤と暗中模索の日々だろうことよ。
もうすでに釣りと写真は切り離せなくなったんだなぁと実感しつつ、いよいよ解禁カウントダウンです。
Zeissとの付き合いもフライと同じく10年になる。