その21  ミッジ、ポケットに忍ばせて
解禁2週目にしてしかし、雪は降り朝は起きれず、一回行ったっきり釣りにゃぁ行きゃぁしない。早くもうちょっとあったかくならんかねぇ。布団から出れんー。
そんなときはミッジを巻いて週末を過ごすのが通例となっている(どういう流れだ?)。
さて、みなさんはミッジを使いますか? 管理釣り場でも渓流でも、ひょっとしたら出番があるかも知れないと、フライボックスに忍ばせているのは私だけではないはず。
TMC508 #22 スペントミッジ
早春、解禁後のオススメパターンでミッジが雑誌に紹介されているのをよく見るが、なかなか使う状況がこの時期にあるかというと、ないこたぁないがそうさなぁ、あんまりないかなぁ。もちろん場所によるんだけど、私の釣りに行くエリアではやっぱり春先はニンフか#14〜#16くらいのドライフライの出番となる。
しかし、それでもミッジを持って行くのは過去に良い思いをした経験があるからにほかならない。ああ、思い出すなぁ。ミッジとの相性が良いと言うか、いいのを釣った事があるんだから。ホントだよ。
こんなにちっちゃい毛ばりででかいのを釣るのってすごいけどにわかには信じられないような気もする。実際このサイズだと魚のくちびるに掛かるというよりもくちびるの肉に掛かるって言う表現が近い。それでも外れないのは、このサイズにして釣り針の役割をきっちり果たしているということなのだが、う〜むそれってやっぱりすごい。なんか小さい人が大きい人を投げ飛ばす「柔よく剛を制す」って感じかなぁ(違うか??)
こういうバリアントなミッジも有効だろう。
私が唯一尺アマゴを釣ったのは極小CDCダンだった。ティペットも長かったなぁ。えん堤プールのど真ん中に定位していた泣き尺を釣った直後、そのプールの流れ込みでライズする魚(こいつが尺だった)を釣ったのが#22のCDCダンで、そのフライは今でも大事にとってある(と思ったらどっかいっちゃった)。その時の感触は、バレる気は全然しなかった。むしろしっかりしたフッキング感がランディングまで安心してやりとりをさせてくれたくらいだ。
その後も2度ほど尺がらみの魚と対峙した時のフライは偶然(いや、必然か)にもミッジだった。そのうちの一匹はなんとか手中に出来た。さんざんプールの中を走り回られたがバラす事もなくキャッチした。しかし、もう一匹の時は苦労して上流からダウンでライズ地点に流し込んだミッジを、スプラッシュライズで水飛沫を上げながらライズの主がくわえたまでは良かったが、そのあと寄せたり走られたりのせめぎ合いを繰り返すうちにバラしてしまった。大きさよりもファイトが素晴らしかっただけに悔やまれた一匹だったのだが、更には結局その魚がミッジでかけた、というところに別の価値がある。
やはり極小のフライで大物を釣るというのは特別な手応えだ。魚の口に掛かっている針が小さい事を知っていながらやりとりをする緊迫感。過去の体験ではフッキングには自信が持てそうなものだが、それでも小さく頼りなげな、でも頼もしいミッジで釣り上げた魚はでっかいフライでごりごり抜き上げた(どんな釣り方じゃ?)魚とは違う!いや違わない! どっちだ?
う〜ん、どっちも、だな。
#30のミッジパターン。小さいゆえに圧巻だ。
何年も前に巻いたものから夕べ巻いたものまで、まあこんなに小さいンだからタイイング歴でそうはディテールが変わりゃしないミッジを、夜な夜なピンセットでフライボックスのフォームに抜き差しして並べ替えております。きっとまた出番が来るはず・・・。
あっ、ピンセットでつまみ損なっていっこどっか飛んでっちゃった!!