その23  水生昆虫雑感
目の前を横切るのはこの季節にしてカゲロウ以外には考えられない。次第に増える彼らの飛翔は川辺の釣り師を大いに興奮させる。川が育む幾多の種の中でもやはりカゲロウは水生昆虫の「看板」であろう。

トビケラやカワゲラだって同じく川に居るんだけど、その存在感はやはり一線を画す。なんか目視出来る範囲ではその数も一番多いような気もするのだがこりゃ思い込みか?
菜の花の蜜を吸うカゲロウ(←ウソ)。
ホームページを作り出してから、水生昆虫の写真も何とか撮って載せたりするのだが、やっぱり「○○マダラカゲロウ」とか名前をちょっとでも入れたら、「むむっ、こいつ・・・。」って感じじゃないですか?(よーわからんですね(笑))
でもあてずっぽうもなんだから家に帰ってから本とデジカメ画像を交互に見比べながら「これ・かなぁ?」っていうのを探すんだけど、まあ本と全く寸分違わない色・姿の虫なんてそうはないものなんですね。
釣り場に持って行く本たち(←これもウソ)。
カゲロウが飛んでいれば当然水辺との干渉の確率も何%かはある訳で、飛翔→流下→捕食という図式が成り立つ。すると、ライズ→キャスト→ヒット(あれ?なんでそうならないの? ♪なんでだろう♪)、まあそう簡単に行かないのがこの釣りの深さと面白さでもあるので、それは認めましょう(笑)。
流れの緩やかなところで突然水面にカゲロウが出現する瞬間に出くわすこともままある。全くなんの予兆もなく不意に現れる瞬間は、本とかでそういう羽化方法を知ってはいても「おっ」って一瞬手が止まる。
小さいコカゲロウだとそうでもないがでかいマダラカゲロウ系が出るとかなり目立つ。飛んでいるのでもでかいのを見つけたら目で追って、どっかに止まったら写真を撮ろうとするがなかなかそうはいかないのが現状。
特徴のある前翅はヒラタカゲロウのダン。
右の写真はマエグロヒメフタオカゲロウの交尾だが、この状態を見つけてシャッターを押したのではなく目の前を飛んだ虫が葦に止まったのを撮ったもの。つまりこの状態で飛んでいたと考えられるが、なにもそうまでして飛ばんでも、って思うよね。
ひょっとしたら飛ぶつもりはなくて、風で飛ばされてしまったとか、外敵をかわすためにやむなく飛んだとかっていう理由があるのかも知れないが。
ふと思ったのは数あるカゲロウの中でちゃんとおんなじ種類同士で交尾するのかねぇ、って。まあそうなんだろうし、本能的に同じカゲロウの種類ってわかるもんなんだろうなぁ。
う〜ん、やっぱり♀(上)が強げだなぁ。
四月上旬、釣りに出掛けると目にしない事はあり得ない、ふわふわと上がったり下がったりを繰り返し、時に風に飛ばされて私のフライベストにしがみつく、やっぱりカゲロウである。
この釣りを続ける限りこの虫は気になり続ける存在であり、その飛翔を見つけたら心穏やかではいられない。
唯一の救いは仕事中に目にすることだけはありえないということか(?)