その24  水辺の近況 「釣果のお便り編」
2003年のシーズンも第一四半期本番の真っ只中。みなさんいかがお過ごしでしょうか?
解禁からそろそろふた月経とうとしていますが、ぼちぼち「あそこの川で○○、どこそこの川で××」などと何人もの釣り師の間でいくつもの話が飛び交い、穏やかに見える表情の裏側では火花を散らす情報戦が繰り広げられているのでしょう(大袈裟ですね)。
パソコンから新着メールを知らせる通知音が鳴る。なんだ? 誰かからか釣果のお便りでも来たか?
ライターS氏のゴギ。撮影もS氏による。
ああやっぱり、予想通り来てました。しかも尺ヤマメじゃああーりませんか。鼻もとんぎっとるし、尾ひれもきれい。親指もしっかり食い込んどります(笑)。
シーズン序盤でこんなのが釣れたらそのシーズンはもう余裕ですねぇ。余裕は良い方に影響するから、さらに余裕のヒラメキ、余裕の釣行、余裕のキャスト、となりまた良型を釣るってことも十分ありえます。
F氏の尺ヤマメ。釣ったその日にこうやって見れるのも時代の姿ですねぇ。
久しくチビしか釣ってないと22〜3cmでも「でかっ」って思っちゃう。メジャーをあてると「?? 縮んだか?」と我が目を疑う。すると当然26〜7cmくらいになると大変な事で、川辺はもう大騒ぎさ。
しかし、私の貧しい想像力もここまでで、それなら30cmを越えたらどうなっちゃうんだろう? チビヤマメを前にして「ありえない・・・」と考えるのは私だけ?(だけ)
これは去年のF氏の尺アマゴ。尾ひれでご飯をよそえそう。
F氏の尺メールから数日後、またしても新着メールの通知音が鳴りました。今度はフライマンのK氏です。ああ、なんかいやな予感がする。勿論知らせてくれるのは嬉しいけど、あんまりいいのを釣ったって話ならどうにも落ち付かなくなっちゃって(笑)。
で、いやな予感は的中し見事な尺ヤマメの画像が添付されておりました。今年はみなさん、飛ばしすぎじゃないのぉ。
K氏の尺ヤマメ。釣った直後に電話をもらった人の話ではかなり興奮していたらしい。
以前にも書いたのだけど、いろんな事情でなかなか釣りに行けない時期もどうしてもあるでしょう。そんな時には釣り仲間からのかっこいい魚の写真がメールで来たらやっぱりテンションが上がります。ざわざわっと騒がしい風が吹くというか、そんな感じ。
部屋に居ながらにして山奥深い渓のイメージがまぶたに浮かび写真から連想できるその場の状況を自分で自分に絵解きする。データのやり取りが簡便になった時代ならではのスタイルです。
これもK氏の去年のゴギ。濃い色艶が夏の魚と証明している。
ネットの彼方のM村ゲロやんはどうなのでしょう?
彼の日記をのぞいてみるとちょこちょこ釣りに行っている様です。彼からメールで釣果の便りが来た事はないのだけれど、それは謙虚さゆえなのかそれともまだフライフィッシング大爆発っとまではいかないのか?
げろげろのHPを見てみるとかわいらしいお魚の写真が載っとります。なんかホッとしますなぁ。まあでも彼もこのまま大人しくしてはおらんでしょう。
釣りはいろいろあるけど心情的にはやっぱり大物狙いで行くでしょう。で、目的が大物なのは釣り上げるまでで、しっかり手にしたあとは次に目的は「自慢」に変わる。写真をショップに飾ったりメールで仲間に送ったりと、大物釣りは釣ったあとが忙しい。
もちろん釣った本人が一番長く余韻に浸るのだけれども、それは周りの人がそんな大物を釣ったってことなんて忘れちゃっても本人の酔いは醒めてないようです。
今日は外は雨です。山はどうだろう? 止み間の間隙をぬって竿を出せばこんな日の方が分がある事も往々にしてある。まあ、今週に限ってはほかの釣り師にお任せしましょう。
積極的な人はこんな日こそとばかりに出掛けるのだろうけど、私はどうも日常の延長線上に釣りを求めるので、かなり気分のノリで行く・行かないが左右される。きっと釣り師の資質としては前者の方が勝ると思いますけどね。
でもこうも考えます。釣りにいろんな事情を持ち込むのは邪道だけども、きっと遮二無二釣りに向き合うよりもいろんなフィルターを通して見る事が出来るかなって。多角的に見る、一見回り道っぽくてまどろっこしくもあるけれど、そういうのもありかなぁって思ったりもします。
雨の週末そんな事をうだうだ考えながらPowerBookにかじりついていたら、また雨足が強くなってきました。瑞々しい季節の到来を告げる着信音ってとこでしょうか。

あれっ? また誰かからメールが来たよ。
Y本氏の去年の泣き尺。これだけの魚が釣れたのだから泣く事はないのである。