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コンパウンドハッチ(複合ハッチ)を見た事があるかというと、その場に居合わせたことはあるかもしれないが、今がその時なのだと認識した事はたぶんない。
その時本命のハッチを見極められずライズを逃したとか、そんな経験もないかあるいは気付いていないだけなのか。 複合ハッチだから本命一種類の虫のフライでないと釣れない、というほど虫の種類を意識して巻いている訳でもないし。 ともあれそんなふうに虫たちの動きがいやでも気になってくる、ようやくそういう季節になってきたようだ。
マエグロのニンフ。こういう画像、苦手な方ごめんなさいσ(^_^;)
町を出る時はまだ朝早く、晴れていたから冷え込んでいた。
それでも気が付くと町角のあちこちの桜がだいぶ花開いている。 なんとなく気温と開花のタイミングが合わない印象があった。 高速を降りていつもの川沿いを走ると花をつけた桜は見られなかった。町の桜が終わっても僕はまだこちらで楽しむ事ができる。 今年の釣りは風だ雪だであーだこーだと言っていたが、運ばかりが悪い訳ではない。 うだうだ言っても始まらないのでこのあたりでいい加減ビシッと言わせたい。
あれ? 魚は??
放射冷却の冷え込みは徐々に解消されつつあり、僕は目的の支流沿いの道を移動していた。
でもまだ寒いので薄手のフリースの上にジャケットを羽織る。 快晴の日曜日なのに釣り人の姿は見えず、でもそれはこの水の冷たさで納得もした。 気温が上がってくるのを期待しつつドライフライを結んでキャストしながら川を歩いた。 虫の飛ぶ姿はない。それはもう少し待たなければならないが、もうひとつ、風もない。 この無風の状況が逆に気味が悪かったが、とにかくキャスティングが楽だ。
春の嵐のあとの川。水位はすっかり下がってました。
あちこちつついて回ったが魚の気配はさっぱりない。本格的に歩く釣りは今年初めてなので、体が慣れていない。あっという間に体はぬくもってきて、まず上のジャケットを脱いだ。これはかなり気温は上がってきそうだ。
今度こそ雪も風もないフライフィッシングができると、僕は期待しすぎるとがっかりするからあまりしない方がいいという考えを押し込めた。 視界の隅にスッと何かがかすめた。カゲロウだ。とうとう飛び始めた。まだ散発的なようだが、期待がますます上がる。 ただハッチがあってもライズがない、ということもある。それなら魚のいる場所へ行くしかない。僕は少し下流へ戻る事にした。そっちの方が川筋が山の影になっていないところが多そうだからだ。
移動した先には春が来ていた。
たっぷりの陽射し、無風の川にはカゲロウが次々と宙を舞っていた。 僕はティペットのチェックももどかしく、キャストを始めた。 すると、ドンっとぶつかってくるような風が吹いた。真っ正面からの向かい風だ。 なんと、これからここを攻めようという矢先に。今まで無風だったのに。 あまりの状況の変わりように僕はロッドを置いた。前回までの風にやられっぱなしの釣りが頭をよぎった。
ジャケットを脱いで、一気に身軽に。
平べったいヒラタのニンフ。まだ潜行中。
コグサヒメカワゲラのニンフ、「キンパク」。
小さいけれど元気にフライに出たヤマメ。
ただ風が止むのを待っていても仕方ないので、水際の石まわりの観察を始めた。
前回一切虫は見えなかったが、今回はいる。うじゃうじゃいる。 ヒラタやマエグロのニンフにキンパクなんかもいる。 石を見ると水面スレスレのところに今にも羽化しそうなニンフがいた。石面羽化は完全には石の上に上がりきらないのか。 見ているとじわ〜っとカゲロウが出てきて、ついに羽化した。マエグロのダンだ。 辺りには大型のマダラカゲロウも群れをなして飛んでいる。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]()
ニュルッ
ニュルルッ
出た〜。
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気が付くとすっかり風は止んでいた。いかんいかん、僕はなにをやっているんだ。釣りをせねば。
流れにはふわふわとカゲロウが飛んでいる。と、バシュッと水面が弾けた。ライズっ! まずはさっき見た羽化のイメージでマエグロのつもりのソラックスをキャスト。出ない。 CDCダンに変えても出ない。水面に絡むイマージャーにしても出ない。 マエグロじゃないのか? いや、今投げたフライがマエグロと言えるかどうかもアヤシイ。 と、またライズ。くそー。
僕がヤマメならこのフライにがぶっといっちゃうんだけどなあ。
ふと石の上に目が行った。マエグロではないカゲロウがいた。
オオクマだ。こいつは・・、水面羽化。マエグロとはそこが違う。 それなら、フローティングニンフが効くかも。 ライズに向けて僕は半沈みのパラシュートを投げた。 クルリっと魚体が宙を舞い、フライを飛び越した。僕はうひゃあと声をあげ、ロッドをあおった。 何年も前に同じようなことがあったな。僕はパラシュートのポストをつまんでもっと急角度で沈むようにくせをつけた。今度こそ。 また風が吹き出した。
学名をイフェメレラというこのカゲロウは水面羽化。
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