例によって忘備録代わりにこのホームページを見返していると、前回キャンプをしたのが2008年。もう四年もキャンプから遠ざかっていた。
そんなにやってなかったのかあ、と改めて思うと、今度はその間部屋に放置されているテントの状態も気になってきた。
久しぶりにやってみたいなあという気持ちがくすぶり、ちょうどタイムリーにfacebookでキャンプをやるぞという招待がきた。
天気が微妙だったが直前になって予定の日はなんとか良さそうな予報も出た。
久々に、やってみるかあ。
雨も上がった。よしよし、とお気楽だったのもこの時だけ。
キャンプと言ってもまずは釣り。
町を出る時は晴れ間も見えたが、高速を降りて北上していくにつれ雲行きは怪しくなってきた。
釣り支度をしているとついにぽつりと落ちてきた。まあ仕方がない。カッパを羽織り川へ降りる。
水は若干増水気味。かなりいい感じだ。水辺を見るとミドリカワゲラが石にとまっている。この虫の季節になってきたな。

活性を感じさせる水位。フライに素直にアマゴは出てきた。ゴールデンウィークで釣り人が大勢入っていることは予想していたが、どうやらこの辺りは増水に守られていたようだ。
僕はちょうどいい水位に下がったタイミングで入渓しているようで、テンポのいい反応にひとりにやけてしまっている。

雨は霧雨のような細かいものから少し雨足が強まったりぴたっと止んだり。なんともせわしない。
キャンプ場へは昼過ぎにメンバーが集まる予定だ。まだ時間はあるが気持ちよく釣りができたからそろそろ終わってもいいと思った。
キャンプ場へ着くころには雨もすっかり上がって、テントを張るのにも苦労することはないだろう。
なんだか今回は釣りもキャンプも気持ちにゆとりがあって、とても気分がいいゾ。
まずまずのアマゴは釣っときました。良かった〜。
メンバーがそろい、ささっとタープを張った。M川氏は即効でテントを張り、いざタープの下でちょっと呑むか、という段になって風が強まってきた。
雨もまだ止まない。ほかにキャンパーが一組だけだったので場所を炊事棟に移す事にした。
僕はまだテントを張っていなかったが、雨が止んでから張った方がいいだろうと判断した。

まずは炭をおこし、手始めに肉を焼く。
何人かは釣りに出掛けたが、僕は午前中の釣果で満足していた。
今回は食材は控えめに、余らさないように、を目標に。
するとみんなが我先にと自分が持ってきた肉を焼こうとする。
二泊目があるんだからと思うのだが、この時すでにみんなには予感めいたものがあったのかもしれない。
雨風ともに弱まる気配はなく、屋根こそあるが吹きっさらしの炊事棟はとにかく寒かった。
焚き火台の炭火にみんなが手をかざし暖を取る。
ゆっくりと始まった宴はこれまたゆっくりと進んでいった。

炊事棟ミーティングの様子。寒いのでごちゃっと寄り添ってます。
起きてテントの入り口を開けると・・・。
シシャモをカルビで囲って。
さあ、なにはともあれ、準備をしよう。
不穏な様相のテントサイト。回復するのか?
釣友Y 絶対の自信の炭おこし。
釣りに行っていたメンバーも帰ってきて、全員そろったところでまたゆるりと宴は進む。
時折ゴッと風が吹き、辺りも暗くなって僕はもはやテントを設営する気はなくなっていた。
M川氏以外のほかの人たちも車で寝ることにしているようで、僕もそうしようと車の荷物を整理し、リヤシートの背もたれを倒して気が付いた。
「こ、この車、中で人が寝れん」
七年乗ってて初めて気が付いた。
となると選択肢はテント設営しか残されていない。
釣友の助けを借りて、最初に張ったタープの下になんとかMossのOutlandを張ることができた。
夜が明けても天候に変化なし。いや、むしろ悪化か?
キャンプ場は僕が一番乗りだった。雨はまだ止んではおらず、僕は車のバックドアを上げてその下でコーヒーを淹れた。
こういうのもオツだなあと、まだ僕は余裕でいた。少し肌寒いので薄手のフリースを中に着てさらにカッパを着る。
テントサイトの奥の雑木林からスーッともやが流れてきた。
幻想的な風景になったが、僕はそういう感想よりもなんだか不安な気持ちが先にたった。
ほどなくして一台、また一台と仲間の車がやってきた。
バケットとホットサンド。これは朝食。
宴も終わり各自寝床へ。
僕は強風にあおられ続けるタープとテントに、果たして眠れるのだろうかと不安だった。
その不安がりよう、朝目が覚めるまで思い出さなかった。
あー、よく寝た、我ながら。
しかし昨夜にも増して荒れている天候に、ゆっくり朝食をとる僕らは少しづつ決断の時を迫られていた。
きっと山を下りたら穏やかな天気なのはわかっている。それでも僕たちには撤収するしかなかった。
数時間後、僕は快晴の自宅前駐車場で余裕のテント乾燥を果たした。
全員集合! 名残惜しいけど今回はこれまで。解散!
おしまい