其ノ二百六十三 マンホールを巡る旅(^_^;
おいでなさいまし、という感じで出迎えてくれるマンホール。
ひょんなことからfacebookのマンホールの写真を集める倶楽部に参加することになった。
マンホールに関しては、とうの昔から各地のものを写真などで集めている人たちは大勢いらっしゃるはずだ。
と言う訳で僕も遅まきながらマンホールに目を向けることに。
まず思いついたのは僕がよく行く釣りのエリアのもの。だいぶ前に撮ったはずだがハードディスクを大捜索しても見つからない。
じゃあ撮りに行くしかないな。
禁漁になってから、山へ向かうのは初めてだった。
ちょっとの間訪れないうちに季節もかなり進んでいるだろうと思っていたが、そうでもなかった。
日陰は涼しいのだが日中の日なたはまだまだ暑い。
そんな中でもいくつか季節の移ろいは感じられた。
で、マンホールはというと、案外簡単に見つけることができた。
記憶の通りアマゴがデザインされたものだった。
日中はまだ暑いけど、秋の気配はそこここに。
カエルのマンホール。乗っているのは笹百合?
休息中なのは僕だけでなく川もだ。
さすがにマンホールのためだけにここまでやってくるというのはアレなので、久しぶりに川の様子も見たりする。
シーズン終盤の川の状況は良くなかった。雨が降らず魚も釣れない川は、釣り人目線からは痛々しく見えた。
その余韻は今もあるようにも見えたが、その傷(?)もだんだんと癒えつつあるふうにも思えた。これも勝手な釣り人目線だけど、やはり禁漁期間がないと来年の釣りに繋がらないような気がした。
半年の間に川は再生し、釣り人もあれこれ考える。きっとそういう時間が必要なのだ。
アマゴのマンホールはその町がアマゴ釣りで有名な場所だからそういうデザインになった経緯がありそうだ。その近くの町でカエルのマンホールも見つけた。ここはモリアオガエルの生息が有名だから、まずそれがデザインに採用された事に間違いないだろう。
マンホールのデザインにもその土地土地のいわれがあるのだろうから、それと合わせて見つけていくと面白そうだ。
カエルマンホールの町には風炎窯という工房がある。ここの陶芸家の方の作品を僕はいくつか持っていた。
この日は工房はお休みだったので僕は町の交流館をのぞいてみた。
そこで風炎窯製のサンショウウオの箸置きを見つけた。背中にはたたら跡に放棄された鉄滓を使っているというものだった。
たたら製鉄は山間部のあちこちにその跡が残されている。
食卓にサンショウウオ出現!
市内にはこんなマンホールが。その絵柄に託された思いは?
マンホールを辿ってたたらに関するものに行き着くのもなにか縁があるのかなあと思いながら、僕は帰路についた。
数日後、いつもの釣り具屋に寄った。店の前にももちろんマンホールはある。改めて眺めるとその絵柄は・・、ああそうか、広島だからそういうことか。
僕と店の人とで一緒に見て妙に納得した。
僕は店で熱いコーヒーをいただくことにした。