其ノ二百五十八  新マテリアルで巻く -弐-
さて、このフック。その使い勝手は??
フライを始めた時から、フライフックはほとんどT社のものを使っていた。
初期の頃、たまにP社(だったかなー?)を使ったり、ちょっと前にはG社とV社も使ったり。
しかしメインはやはりT社で、不動の地位を築いていた。
しかし今年、G社の新しいフックにちょっと浮気を・・。

このフック、表面が非常に滑らかな処理をしているそうで、スレッドが滑るから注意とのふれこみ。確かに下巻きが適当だとスレッドがスルッと抜けてしまう。
パラシュートを巻いてみる。虫っぽさは、どうか?
表面処理だけではなく、ワイヤーの細さもかなりのもの。
断面は丸ではないようで、平打ち(って言うのかなあ)でほかのフックとは印象が異なる。
ただし力を入れてスレッドを絞るとシャンクは呆気なく曲がってしまう。
釣りでこのフックが伸ばされるような魚が掛かればスゴイけど。

そしてカーブしたシャンクと独特の形のベンド。
スプロートでもリマリックでもないその形はちょっとソノ気にさせてくれる。
ウェブサイトにはこのベンドによるホールド性能の高さが書かれている。
表面の滑らかさによるフッキングの良さ。もちろんバーブレスによるものもある。そしてこのベンドにより従来のバーブレスよりもバレにくい、ということになれば、なおいい。
フッキング性能がよく、細軸で軽量、さらにバレないバーブレスだなんて、最高じゃないか。
僕はこのフックを入手してからというもの、こればかり使ってタイイングしていた。パラシュートやヘアカディス、テレストリアルもそろそろ用意しないといけないのでそのパターンも。あれよあれよと言う間にひとケース全部巻いてしまった。
で、このフックのフライで何匹かのヤマメを掛けた。フッキングは良好。ホールド性はというと、バレたりバレなかったり。ただ多少バレない方が多いような気もするが、これは気の持ちようかもしれない。
ニホンジカのヘアとの相性も良さげ。あとは実践で。
しかしこのフックのフライだけでこれから先の釣りを全てまかなうのかというと、やっぱりそれはあり得ない。
このフックはロングシャンク気味なので巻くパターンも限られる。それぞれのフライに合ったフックを使うのがフライのタイイングなんだから。
でもフライボックスの中にちょっと新しい風が入るのは悪い事ではない。
相乗効果で今までのフライも見直したりこれからのタイイングにも力が入る。
全ては次の一匹のために(-_^;)