其ノ二百九十  釣りのできない釣行の日
うん、わかった。コレ、無理(>_<)
釣行可能日数も残すところあと二日となった。
そしてそれを前に雨が降った。土曜日の雨はかなりの降水量で各地に被害も出た。
もちろん釣りなど行けるはずもなかった。
しかし日曜日、いつもの釣行先エリアの雨は昼前にはあがるようで、要所の累加雨量を見ると多いものの行ってみるしかないか、と思うよな、やっぱり。
緑のフィルターを通って吹く風に、僕の体が浄化されていくような。
こうなると、次週が最後のチャンスとなる。すっかりハードルが上がってしまった。まあこればっかりは仕方がないのだが。
これまで釣りに行けない週末は何度かあったが、今回は釣りをするつもりで出掛けてきてできなかったので、解禁から張りっぱなしだった釣行ロードの緊張のイトがぷっつり切れてしまったような気もしないでもない。
もちろん一週間あればイトの修復はできようし、あと一回はなんとしても行くのだけれど。
で、結果、釣りはできなかった。数ヶ所回った川はどこも茶色く濁り、アウト。見ていると恐ろしくなるような流れになっていた。最源流部で釣りが可能な川にも行ってみたが、そこでさえポイントがなくなっていた。
この時点で僕の方も釣りのスイッチがオフになってしまい、これ以上さらに川を回ったところで無駄だろうという気がしていた。
山あいの道の駅で休憩していると見慣れた車が通り過ぎた。W氏だ。僕が電話するとW氏はUターンしてきてくれた。
僕とは違うエリアを見て回ったW氏の情報で、この日の釣りを完全に諦める決心がついた。
これはW氏も同じだったろう。結果として、それぞれ分担しての川の視察ができたかたちだ。
快適な高原では熱々のカレーうどんでも平気。
一時間後、M川氏も合流して、思いがけずにぎやかに昼食をとる事になった。
降ったり止んだりの雨も昼にはすっかり上がり、昼食会場のいつものキャンプ場では晴れ間も出始めた。
林間から吹く風がもう天国のように気持ちがいい。
気温は21,2度といったところか。町での暮らしが考えらえない快適さだった。