其ノ二百八十八 ブラックフライ・スタンバイ
黒いフォームにピーコック、そして黒いハックル。怪し過ぎる(^_^;
毎度毎度の週末手前の取り急ぎのタイイング。
釣行のたびのフライのロストがひどくなってきているから、自転車操業の補充をしなければならない。
しかし、補充だけが巻く理由ではなかった。
毎回釣りのたびにフライがしっくり来ない。主に視認性と浮力だ。見えなくてもちゃんとキャスティングできているなら、釣りは成立しているかも知れないが、面白くない。浮力もしかり、だ。
好んで使うハックルカディス。視認性も解決。
夏の釣りは日射しがきつい。
日陰で釣っていても遠くの日なたの反射が目の前の流れに影響する場合もある。
春先の柔らかい陽射しの時よりも視認性では条件は悪いような気がするのだ。
部屋でタイイングをする時、どうしても現場での使い勝手は後回しにして、釣れそうな感じのするフライを巻いてしまう。
その結果、夏の光に紛れて見えないフライばかりになってしまう。
夏にはしっかり見えるフライが必要だ。ワンポイントで派手な色のインジケーターをつけると魚に気づかれやしないかという心配は春だけでいいように思う。
夏はインジケーターのような色が体色の一部にある虫もいるし、インジケーター以外が概ね黒色なら許容範囲かなあと、僕は勝手に思っている。
それに黒いフライは流れの落ち込みの白泡の上に落とした時には有効だ。俄然よく見える。白泡の上に浮かせてドーンと出た、なんて経験はないのだが、暑い季節には期待してみたいところだ。
数年ぶりに巻いたウレタンフォームアント。耐久性ならコレでしょ。
赤いインジケーター、黒いボディ。メリハリの効いたフライが夏のフライのイメージだ。
形も発想も自由。視認性と浮力は工夫次第。テレストリアルフライはそんな自由度の高いタイイングになる。
その分、現場での使い勝手の良し悪しが出てしまうのも常で、釣行の反省を次の週末のためのタイイングに盛り込む。
こんな繰り返しがたぶん禁漁までは続くんだなあ、きっと。