其ノ二百九十七 エギ初挑戦顛末記
日本海で釣りするの、ああ、初めてかも。
夕まづめ狙いの予定だったが、いっしょにする仲間の都合で急きょ朝まづめ狙いに変更になった。
前夜になって連絡を受け、もちろんあわてたのは僕だ。夕方ならいいかと、前の夜けっこうハイペースで焼酎を飲んでいた。
朝3時に待ち合わせ。しっかり焼酎が残っている。まあ、運転しないからいいか。
空いた道はしかし濃霧で視界が悪かった。僕は会社の後輩の車の助手席でまたうつらうつらしていた。
僕は何度か引っ掛けてエギを失い、PEラインとリーダーとの接続部から切れてしまい、リーダーを結び直した。
あとから考えると、何度もやり直したおかげで電車結びだけは軽々と現場でもできるようになった。
最初の港をあきらめ移動した。
数ヶ所港を巡り、この日最後と決めてやってきたのは港のない磯だった。
この日は波はおだやかでこれなら危険なことはなさそうだった。
少し前に今回と同じメンバーで瀬戸内の島を夜釣りで巡った。
フライロッドを持って行っていた僕は全く釣りにならず、次回はエギングをやるぞと決心した。
数週間後、仲間の助言を受け道具をそろえた。そしてこの日初挑戦とあいなった訳だ。
高速と下道で二時間ちょっとで日本海側まで出た。最初の港にはイカ狙いの釣り人はおらず一番いいポイントに入ることができた。
仲間ふたりはひとりがエギ歴が長くもうひとりは始めて間もない。
仲間の釣ったイカ。なるほどなるほど。
日本海はやっぱり瀬戸内とはちょっと違う(^_^;
空が白み始めるまでは寒さと満点の星空に凍えたり驚いたり。そうこしているうちに幾分明るくなり、魚の活性が一気に上がった時間帯も見つつ、僕たちのロッドが曲がる事はなかった。
呆気なく朝まづめの時間帯は終わり、いやでもこれからだと気分を引き締めなおした。
僕は初めてのエギングだったので、暗いうちから大きなアクションのシャクリとかはできなくて、エギング自体が成立していなかったろう。明るくなり仲間に手ほどきを受けて最チャレンジ。
そうこうしていたら仲間のエギ歴長い方が一匹。初めて間もない方が一匹。間もない方の彼はエギを始めてから数回の釣行でボウズはないらしい。飲み込みの早さにエギ歴長い方もタジタジだった。
フグさん救出成功。元気に海に帰っていかれました(^_^;
エギをキャストしてカウントダウン、そしてシャクる。
ラインが弛んでいたり張っていたり。その状態でのシャクリで水中のエギの動きをそれぞれイメージする。そしてフォール。
なんだろう、なんだかとても違和感がある。この激しいシャクリがフライフィッシングに慣れた体にはしっくりこないのだろうか。
釣れればそんな文句も出ないのだろうが、釣れてないから弱音が言い訳に繋がっているのか?
港の猫さん やっぱり魚をもらえずご機嫌斜めでした(^O^;)
海沿いの町の食事どころで昼食をとった。品数の多い優しい食事が寝不足の身体にしみる。
今回はほかの仲間にしても満足のいく釣果ではなかったろう。
食後に何匹か釣ったイカを捌いて帰ることにした。
海岸で捌いていると、数匹の猫たちがやってきた。釣り人が獲物の処理をしているのをわかっている。
釣っていない僕はもちろんねだられることもなく、猫からも相手にされないのだった(>▽<)
波間にたくさん魚が見えた。これはフライの道具さえあれば釣れたんじゃないか?
残念ながら持ってきていないがフライワレットだけはあった。
ラインの先にフライをつけ、エギングロッドでフライを投げた。5mくらいしか飛ばん。
リトリーブすると小さなイカがついてくる。しかし食いつかない。
これはフライでイカが釣れるかもしれないと、また僕はいらん事を考え始めた。
昼食はおいしくお刺身と天ぷらを。疲れた体にはやさしい食事。