其ノ三百五  故郷の川と海へ
年末にこれほどの積雪は経験ないかもσ(^_^;)
年末に墓掃除に帰る。
去年もそうしたが、今年は積雪量があきらかに多い。
4WDでスタッドレスタイヤをはいていても決して万全ではない。
雨雲レーダーを見ると雪雲とわかるそれが山間部にかかっている。
日にちをずらしても積もった雪が簡単に溶けるとは思えず、僕はこの日県境越えを決行した。
無茶はしないが多少の無理はする。どうしても行っておこうと気持ちを駆り立てることがあった。
いつもなら二時間くらいの行程が、約2.5倍はかかっていた。とにかく雪が降り続く。
朝早いうちに出たのに、目的の日本海側に着いたのはちょうどお昼時だった。
でも中国山地の背骨とも言うべきエリアに、根雪になりそうな雪がごちゃんまんと降ってくれることは喜ばしい限りである。
雪が降り落ちてくるのは、命を紡ぐ水が空から落ちてくるのだと、そんな気がした。
そして僕はようやく日本海側に出る事ができた。
山間部の名も無き小川。
行程の半分は高速だがあとは下道を行く。
路肩に寄せられた雪のせいで狭くなった道路では対向車が来ると神経を使う。時折中型のトラックがやってきたりするからその時は肝を冷やす。
年末に事故なんて起こしたら今年一年を台無しにしてしまうから、注意は怠れない。
休憩もたびたびとるのでペースは遅くなるが仕方ない。
そのたびに川の様子を見てみるが、もちろん川の流れだけは途絶える事はなかった。
一級河川の大プールに降る雪。大河のひと降り、だなあ( ´ー`)y-~~
実は今回ロッドを車に積んでいた。できれば故郷の川でハヤでも釣ってやろうかと考えていたのだ。もちろん強風と寒さでロッドを出すには至らなかった。
それでも気分は良かった。これでまたがんばれる、とふつふつと湧いてくるものを感じられたから。

僕は南へ向かった。またあの雪の背骨エリアを無事に通過しなければならない。
もちろん
無茶はしない。でも多少の無理はしてみるか。
子供の頃、鮒を釣った川。いつかまた、きっと。
海岸付近は雪はやんでいたが風がすごかった。瀬戸内が温暖で穏やかなのかを思い知った感じだ。
墓掃除自体は10分かかるかかからないか、くらいですんだ。
ただ、墓に向かって手を合わせている時間は以外に長くなった。
亡くした両親に自然に語りかけている自分が意外だった。
今までこういうことをしたことはなかったが、とりとめもないことを頭の中でつぶやくことに不思議と抵抗はなかった。
そして日本海。あ、荒れとります〜(>_<)
強風は容赦ない。一年の憂いを全て吹き飛ばしてくれてるの?(^_^;
墓苑の駐車場で少し仮眠をとった。目が覚めた時、ここがどこでいまがいつなのか、わからなかった。
思いがけず深い眠りだったのか、時計を見ると一時間近く経っていた。

頭がスッキリした。外に出るとまだ風は強いが足は軽かった。
なんだったんだろう? なんだかため込んでいたものがあっさり払拭されてしまったようだ。