F.F.雑感
其ノ六百四十五  ナラタケとショウゲンジの不思議  
僕たちはショウゲンジの収穫で満足感は確保した。気持ちに余裕ができたので、別のポイントの開拓に向かう事にした。
ある山の登山道入り口に向かう道路、その登山道入り口の広場に車を停めるとTさんが、「ナラタケだっ!」と声を出した。
広場脇の木の幹にびっしり付いている。散々歩いて見つからないのに、たまたま車で乗りつけた場所にこんなにあるとは。こういうことがあるなんて、不思議だ。
もちろん僕たちはそれまでの苦労は忘れて収穫に没頭した。
前回ようやくコウタケが収穫できたので、今回はTSさんが気になっていた場所を新規開拓でやってみることになった。
そこは林床がいい感じの斜面で適度な地肌の露出、熊笹の少なさ、落ち葉の体積、生えている木の種類や間隔など、バランスがいい。
入ってすぐにキノコがいくつか見られたが、新たなコウタケポイントの開拓が目的なので、僕たちはさらに上へ進んだ。尾根沿いに頂を目指したが徐々に灌木が増えて進みづらい。

前回のコウタケは去年採った場所と少し離れたところでTさんが見つけたものだった。去年あれだけ採れた場所では今年は誰も一つも見つけられていない。前回のあと、Tさんが平日有休でまたその場所に行っていたのだが、去年の場所にはなく、ほかの場所で成長しすぎた労菌コウタケがあっただけだという。
翌日はショウゲンジ&ベーコンスパゲッティ。うま〜(^o^)
ショウゲンジがこれだけまとまって採れるとは(^^;)
朝は割と冷えていた。市内でそんなだから、山はもっと冷えていそうだし、日中もそれなりに秋の気温になっていそうだ。
TSさん、Tさんと共に行くキノコ採り四回目。十月も下旬になっていくら季節の進行が遅れているとは言え、いい加減帳尻が合ってくる頃なんじゃないか?
ところが山に着いて外に出ると、思ったほど気温は低くない。僕は自分の服装が薄着すぎたかと思ったが、ちょっと山を歩き回れば体が温まってちょうど良さそうだ。
山の紅葉は気持ち進んだかな、というくらいだった。
道の上の落ち葉はかなり増えてきました。
これだけの群生、キノコの同定ができなかったとしても最初によくスルーしたな、と思ったが思い直したのもすごい。とにかく採る。
ショウゲンジは去年一個だけ採って持って帰ったが、苦味がいい感じのキノコだ。

来てからずっと思うように見つけられずにいたので、どうなることかと思っていたがひと安心した。去年のようにコウタケが採れず、それも今年のキノコ採りの盛り上がりが今ひとつだった理由だが、ようやくそれを打破できた。
ナラタケタワー、初めて見ました。
収穫後の選別作業。これが大変ということは大漁ということ(*^^*)
圧巻の収穫量(^o^;) 
もうこうなったらまだ出ていないとは考えにくく、去年採れた場所は誰か別の人が採ったのだろうと思えてきた。
あとは採り頃が週末ではなく平日のタイミングだということだ。きっと去年はうまい具合に週末に採り頃のタイミングが合っていて、あれだけ採れたのだろう。運にも大きく左右されるのは釣りと同じだ。

TSさんの新規ポイントは空振りに終わった。斜面を詰められるだけ詰めて、引き返した。
次にすぐ近くにある林道を歩くことにした。雰囲気のいい林道だったが、キノコっ気がない。
ふとTSさんが「今は土に出るキノコと木から生えるキノコの端境期かもしれない」と言った。何も採れない可能性もあると。
別の場所に車で移動する前に、最初の場所にもう一度寄る事にした。TSさんが取るのは思い留まったが、実はショウゲンジというキノコっぽいのがあったと言う。
行ってみるとそれは間違いなくショウゲンジだった。しかも群生している。
ショウゲンジのアルミホイル包み焼き。苦味がいいっ!