其ノ二百七十一 雨の島、干潮まで
雨雲が海峡を渡ってくるσ(^_^;)
潮流の始まりが朝のうちだと、なんとかその前に釣り場に着きたい。
寒くなってきて起きるのがつらいが、それを乗り越えなんとか島へ向かった。
途中ぱらぱらとフロントウインドウを雨が叩いてきた。予報でも少し降ると言っていたが、早まってきたのか。
それでも橋を渡ると降雨はおさまった。潮流はとっくに始まっている時間だった。
雨は降ったり止んだり。海の中には関係ない?
突然ぶわっと赤いものが現れた。水中から風船? と思ったらどうやらコブダイだ。
4,50cmはありそうなヤツが泳いでいる。まわりには大小の魚を従えている。
いや、これは無理だろう、と思うも間もなくそいつは沈んでいってしまった。
だが多くの魚は泳いでいる。今がちょうど活性の高いピークのようだ。
早速キャスト。
釣りを始めるなり現れた港の住人。
なんだかんだで遅くなる。まずもって出発が遅かった。
目当ての港の良さそうな場所にはすでに数人の釣り人が陣取っていた。
でも釣りができなくはない。ささっと支度をして防波堤に向かうと黒い影が横切った。
新たな釣り人の到着に期待している猫だった。さて、僕はその期待に応えられるかどうか?
長潮のこの日、潮位は大きく変わるようではなかった。
完璧なカモフラージュ。海中ではきっと石になりきっているに違いない。
前から行きたかった饕餮庵(とうてつあん)さんへ蕎麦を食べに寄った。十割の生粉蕎麦をおいしくいただいた。
島はひどい雨にはならなかったが本土側はかなり降ったようだった。
かかった魚はアナハゼで、それを最後に干潮になり魚影は消えてしまった。アナハゼは見た目かなりグロテスクで早々に海にお帰りいただいた。
蕎麦を食べていたら手の甲からちょっとだけアナハゼの匂いがした。
コツンコツンとフライをつっついてくる感触がある。snaphookを使ったシラスフライは変わらず反応がいいようだ。
しかしこれまた変わらず決定打とはなっていない。
クンッとロッドに感触がありフライを引き上げるとずいぶん小さなメバルがかかっていた。こりゃスマン。すぐリリースした。
中型の魚影も見える。今のうちに釣っておかないとじきに潮が止まってしまう。少し離れたところのカップルの釣り人はキャッキャ言いながらぼちぼち釣っていた。その先の親子連れはさっぱり釣れていないようだった。
この島は本土から橋を二つ渡ったところにある。本土は目の前に見える。黒い雨雲がそこにかかっていた。あれがこっちにきたら本降りになってしまう。来るなよ〜。
ぎらぎらと水中で魚体がうねるのが見えている。
かなり活性は高いようだが、なかなかフライに食いついてくれない。
潮流はあるにはあるが、時間からいくとそろそろ鈍る頃だ。
またぱらぱらと雨が落ち出す。昼が近づき腹も減ってきた。ああ、昼飯どうしよう。
ここんとこ蕎麦づいているからどこか蕎麦を食べに・・、とか考えていたらドスンとロッドが曲がった。
お腹空いた。猫もどっか行っちゃったしなあ。